イベントレポート『医療従事者向け腸活セミナー』
2020.01.10
12月、東京交通会館にて、一般社団法人予防医療研究協会主催の医療従事者対象セミナーが開催された。日々忙しく働く医療従事者こそ、自分の不調をおざなりにしがち。まずは自分たちの身体と向き合い、そこから社会全体を変えていくことを目的としている。同協会顧問で、腸内細菌研究の第一人者として知られる藤田紘一郎氏らが、「第二の脳」ともいわれる腸についての講義を行い、約70名の参加者が集まった。
「笑うカイチュウ」などの著書で知られる藤田氏。「医学会では変な男として有名です。サナダムシをおなかに飼っていたのでね」とユーモアを交え自己紹介。
欧米では最新の免疫学に関しての書籍が出版されているとして、『Let Them Eat Dirt』や『Eat Dirt』を紹介。先進国で急激に増加している花粉症などのアレルギー疾患は“きれいにしすぎる”ことが一因だという。これら2冊は『「きたない子育て」はいいことだらけ!』『すべての不調をなくしたければ除菌をやめさない』というタイトルで、日本でも出版されているが、藤田氏は同様の説を「清潔はビョーキだ」などの著書で20年以上前から唱えている。
人間の免疫力の70%を作るのが腸。藤田氏によると、生後3年間に腸内に侵入してきた細菌のうち、自分のもつIgA抗体と結合したもののみが腸内細菌として棲みつくのだという。乳児がなんでもなめたがるのは、腸内環境を良好にしようとする自然な行為なのだが、清潔志向の過剰な高まりにより、消毒・殺菌されすぎた生活環境がこの”準備期間”を妨げてしまう。こうして腸内細菌が減少し、免疫力の低い大人が増えているのだ。
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