治療から時短派まで。医療の現場で広がる様々なアートメイク
2019.04.05
近年注目が集まっているメディカルタトゥー(アートメイク)。
タトゥーというと、日本では未だに抵抗感を持っている方もいるかもしれない。温泉やプールに入れなかったり、就職の際にネックになったりと、まだまだタトゥーに対する認識はあまり良いとは言えないのが現状である。しかし最近では、ファッション目的以外に、医療の分野でもタトゥーが用いられているのである。
では医療の現場で用いられるメディカルタトゥーとはいったいどのようなものなのだろうか。
◆治療としての “トリートメントタトゥー”
トリートメントタトゥーとは、外傷性瘢痕、パーツハンディーの着色カモフラージュ術、乳房再建時の乳輪、乳頭の着色、色素再建カモフラージュ術など、傷跡を隠したり、本来あるはずのものを描くことで、再生したように見せたりする施術のことを指す。
火傷や自傷行為、手術などの痕を隠すために肌に近い色を入れる施術や、乳房再建時に乳輪があるように見せたり、皮膚疾患のひとつである白斑のカモフラージュを行ったりすることができる。
(白斑をタトゥーでカモフラージュする様子)
◆命を救う”アラートタトゥー“
緊急時、意識を失って話せない状態になったときでも、自身の持病やアレルギーなどを周囲に知らせることができるタトゥー、それがアラートタトゥーである。別名 “命を救うタトゥー”とも言われている。
アラートタトゥーは、脈をはかるときに気づきやすいという点から、欧米では手首の内側に入れることが多いという。例えば、「ピーナッツアレルギーがあること」や「ペースメーカーを使用していること」、「糖尿病であること」などをタトゥーとして入れたりするのである。
(1型糖尿病のアラートタトゥー)
◆毎日の化粧の手間を省く“アートメイク”
抗がん剤の影響で全身の体毛が抜けてしまった方や、健康ではあるものの毎日の化粧の手間を省きたい方などが、眉毛や頭髪などをタトゥーとして入れるのを、アートメイク(コスメティックタトゥー)という。
がん患者のQOL向上もさることながら、最近では美容目的での施術が増えており、友人との旅行時に気兼ねなくお風呂に入れたり、老眼になった中高年層がアイラインをうまく引けないからアイラインを描いたりと、需要はどんどんと高まっている。
使用するインクは、内容成分が100%オーガニックのものもあり、体に優しい素材でできているという点も、女性が安心して施術を受けることができるポイントである。
(眉へのアートメイク)
◆アートメイクの資格を取る看護師も
メディカルタトゥー(アートメイク)は、2005年に医療行為として認定され、施術を行うためには医師免許が必要となる。ただし、医師の指示のもとであれば、看護師も施術を行うことが可能なため、アートメイクの講習を受ける看護師がどんどんと増えている。実際にアートメイクができる看護師の需要は高く、専門学校や求人数も増加傾向にあるという。
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