魅力を引き出すための最新技術による目元治療 後編 高田章好先生×西林涼子先生
2021.08.02
大阪大学形成外科招聘教授(美容医療) 高田章好先生と、りょうこ皮ふ科クリニック院長西林涼子先生による、対談後半です。マスク着用が定着した今、自分らしさを印象づける“目元”の美容医療について、その魅力を引き出す技術・奥深さなどを、形成外科の視点から語っていただきました。
――マスクで目元が強調されやすくなってから、美容医療の患者さんは増えていますか。
西林先生:
非常に増えました。マスクで鼻と口が隠れるようになってから、瞼のたるみや目の下のくま、眼窩脂肪ヘルニアなどが「急に気になるようになった」という方が、私のクリニックでは急増中です。
高田先生:
マスク着用が当たり前になってからは、目元周りの施術件数は増えています。ただ、患者さんは広めの二重瞼だと思っていたものが、「実は眼瞼下垂だった」というようなケースも少なくありません。そういった場合は、美容の治療ではなく眼瞼下垂の治療をしなければならないので、まず私たち医師が的確な診断をすることも重要です。
西林先生:
実は額のシワの原因も、眼瞼下垂であることが多いのです。シワは「ボツリヌス注射をすれば改善する」と思われがちですが、眼瞼下垂が原因のシワは、目元のたるみを引き上げるために額を動かすことでできてしまったシワなので、ボトックス注射をすると余計に瞼が重たくなってしまいます。このような方には、目の治療が必要だということを、根本から説明しなければなりません。
――マスクがもたらした思わぬ結果ですね。説明を受けて驚く患者さんも多いのでは?
西林先生:
みなさん驚かれますね。木を見て森を見ず…ではありませんが、「夕方に頭痛がする、夜は肩こりがひどい」など、眼瞼下垂による症状がほかにたくさん出ていたとしても気がつかず「むしろシワの方が気になっていた」という患者さんがほとんどです。
高田先生:
患者さんは、形成外科出身の医師だとどうしても手術をするイメージが強いようですが、今の美容医療は、必ずしも顔や体にメスを入れるだけではありません。
たとえば、PRPやボツリヌス注射、ヒアルロン酸の注入、HIFU(ハイフ)やレーザー治療、ほかに、糸で少し釣り上げるなど、さまざまな治療を状況によって組み合わせることで、できるだけダウンタイムが少なく、傷跡も目立たない低侵襲外科治療などで行っています。
西林先生:
はい。誤解されやすいですが、注射治療なども得意ですよ。そもそも外科医なので、繊細さが求められる治療全般には自信があります。
――確かに、美容医療といえば以前は「美容整形」がメインで、手術することの方が多かったのかもしれませんが、今は選択肢が多く抵抗感もないので、施術を受けることがもっと身近になっています。「きれいになりたい」という願いを、昔より気軽に叶えられるようになった実感はありますね。
西林先生:
メディアで、芸能人が美容医療の話をするのも珍しくなく、特集を組まれることも増えました。美容医療に対するハードルがすごく下がっているので、興味のある方や悩んでいる方がいれば、気軽に相談してほしいです。
―― 美容医療がより身近なものになったからこそ伺いたいのですが、一般的な美容医療と比べて、形成外科が優位だと思うところはありますか。
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