患者数8割減からの大復活 なぜ自費率100%の歯科クリニックをつくったのか ~ナカイデンタルオフィス院長 中井大介先生~
2019.07.05
8月9日(金)、10日(土)に開催される 『自費研フェス2019』にご登壇いただく、ナカイデンタルオフィス院長・中井大介先生。
韓国Ye歯科などでの100回にも及ぶ海外研修で学んだ経験を生かし、独自のコーディネーター制度を導入した予防型診療所経営で、週の診療時間を33時間に短縮し、診療台4台で年間7000万円の売り上げを達成。2016年に診療所を完全自費専門医院化にし、経営を軌道に乗せていらっしゃる先生に、自費に特化することにした経緯やどのような仕組みをとっているのかなどのお話を伺ってまいりました。
保険医を返上してまで自費診療に特化する
現行の保険システムに危機感を感じた為、3年ほど前に保険医を返上して完全自費診療に特化することに致しました。保険診療の範囲では自分の思うような治療ができないことが多く、患者さまのためになっていないと感じる場面に幾度となく遭遇したので、自費診療に活路を見出したのです。
保険医を返上するというのは大きな決断でしたし、100%自費診療にすることで、患者数は保険医時代から8割も減少してしまいました。それでも様々な施策をとることで、何とかクリニック経営を軌道に乗せることができましたし、今では自費診療特化型のクリニックへと転換して良かったと思っております。
保険診療では患者さまに寄り添えないのでは、という不安があった
治療に関して、問題点はいくつもあります。まず、保険の規格で定められた金属は体に良くありません。それはほとんどの歯科医なら知っていることなのですが、安価だからと使用を続けてしまっています。実際に欧米では体に良くないという理由で使われていないようなものを、保険の範囲だからと使い続けてしまうのには、とても抵抗感がありました。
また、歯周病の治療が必要な患者さまで、メンテナンスのために毎月掃除しなければならないような場合でも、保険のシステムでそれを行うことは不可能です。保険のシステムの都合で、悪くなるとわかっていても放置しなければならないのです。
歯科医として患者さまを第一に考えなければならないのに、制度によって患者さまを苦しめているのではないか。そういう想いが強くなり、自由診療へと大きく傾くことになりました。
「非効率なようでいて、効率的」なカウンセリング
多くの歯科医院では、歯科助手やコーディネーターが患者さまのカウンセリングを行っているはずです。しかし当院では、自費化してからは全て私がカウンセリングに入るようにしています。
保険の場合、補綴カウンセリングといって治療毎にカウンセリングを行うのですが、完全自費の場合は、スポット、スポットでカウンセリングをするのでは物足りないのです。
先の先まで予測したうえで、治療の計画を作ってお話をする。そうなるとある程度、専門教育を受けている者がカウンセリングに入らないと無理だと痛感しました。
患者さまの回転を意識しているクリニックでは、カウンセリング専門のスタッフがいて、歯科医はひたすら治療を行う、という仕組みが多いかと思いますが、私はあまり回転を意識しておりません。今は、なるべく少ないマンパワーでクリニックを運営して、収益を上げることに注力しています。
目指すのは「非効率なようでいて、効率的」。私が直接患者さまとお話することで、信頼関係を築いていき、定期的に来ていただけるようになればと思っております。
特別珍しいことをしているわけではありません。コミュニケーションをしっかりとって、一つ一つ治療の水準を高く保つ。ここを意識することで、患者さまが定期的に来院してくださるクリニックを作ることができます。
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