『歯は臓器』全身の健康を考える歯臓治療とは むらつ歯科クリニック 村津大地先生 前編
2019.07.18
博多駅から徒歩5分の場所にある、8階建てビル丸ごと一棟が自費治療専門のむらつ歯科クリニック。歯を単に咬むための道具ではなく、全身に影響を与える器官である「臓器」としてとらえた歯科治療や、「むらつ式かみ合わせ治療」を行っている。その治療を求めて、新幹線や飛行機に乗って、全国から多くの患者が訪れる。父である先代理事長から受け継いだかみ合わせ治療を、新たな視点で発展させてきた歯学博士・村津大地先生にお話しを伺った。
技術継承。かみ合わせマスターになるまで
口腔外科医として大学病院に勤めていました。歯科治療のみならず、口腔がんなどの全身に関わる疾患を通じ、歯と全身について学ぶ日々でした。大学から「助教にならないか」と声がかかったのですが、引き受けるからには3年の任期を務めあげるのが筋だと思い、2年後には実家に戻ることを以前から決めていたため、一度はお断りしました。「それでも構わないからぜひ」ということで、口腔外科助教を経て2015年、むらつ歯科クリニック・父のもとへと戻ったのです。
当時の父は焦っていました。独自にたどりついた「むらつ式かみ合わせ治療」を伝えようと後継の育成に努めたのですが、感覚やセンスによって大きく左右される施術で、思うようにいかなかったのです。父のマンツーマン指導のもと、見よう見まねから始めたかみ合わせ治療でしたが、歯と全身について学んだ大学院の経験が活きたのか、完全ではないものの、技術継承に成功、かみ合わせマスター第一号になりました。多くの患者さんの治療に携わりながら、父とともに技術を磨き、マスターの育成に励みました。
そんな折に父が倒れてしまい、急遽院長代理を務めることに。私が戻ってまだ半年しかたっていませんでしたから、あの時大学を辞めていなければ、むらつ歯科クリニックは恐らく閉鎖になっていたでしょう。導かれたようなタイミングでした。
技術継承に成功してはいたものの、父の存在の大きさ、患者さまからの信頼の厚さを痛感させられる毎日でしたね。父の診察を受けるために県外から来てくださったのに、若い私が出てきたため、「院長がいないならわざわざ来なかったのに」とおっしゃる方も多くいました。その後も父が復帰することがありませんでしたから、引き継ぎをすることもできず、毎日がむしゃらに来てくださっている患者さんに対して全力で治療させていただきました。おかげさまで、今でも多くの患者さんが継続して通ってくださっていることには大変感謝しております。
「歯は臓器である」歯と全身の健康の関連性
削ったり抜いたり、詰め物をしたり。患者さまには歯に対して「使い捨て」のイメージをお持ちの方も少なからずおられます。歯を骨の延長線のような感覚で治療している先生もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは歯を「神経器官」ととらえ治療しており、この考えが「むらつ式かみ合わせ治療」のカギとなっています。
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