より良い歯科治療をするため 医科の知識を学ぶことが大切
2024.04.07
2023年12月1日~3日に韓国・EXCO (大邱展示コンベンションセンター)にて『APAAC 2023』が開催されました。 アジア太平洋アンチエイジング会議(APAAC)に日本人歯科医師で初めて招待された服部 敏先生に、APAAC2023の様子や感想、そして日本の治療において取り入れたい点などをお伺いしました。
歯科や医科の枠組みを超えて知識を共有していこう
ーーーAPAAC2023では、どんなことを学んだのでしょうか?
APAAC2023では、皮膚科や美容整形のカダバートレーニングなど、歯科医師であっても基本的に全ての講義に参加できるように配慮していただきました。日本から参加した13人の歯科医と2人の医師の計15人で、韓国の皮膚科・美容整形・植毛の最新技術とトレンドを学んで来ました。
顔面に対するヒアルロン酸やボツリヌスの注入では、皮膚や筋肉までの厚さをエコーで診てから注入するので非常に分かりやすかったです。日本では、エコーで診てから注入をするのは一般的ではありませんが、1㎜・2㎜下に何があるかが層で分かります。「ここの部分にはどのくらいの脂肪があって、筋肉までにどの位の距離がある」というのを理解してから注入できるので良かったですね。
ーーー特に印象に残ったことはありますか?
現地の教授と、「医科で行われていることは、歯科の先生も知っておいた方が良い」という話をしてきました。例えば、皮膚科や整形外科が、トピックとしてどんなことをしているのか、歯科の先生が知っていれば患者様にも紹介できますよね。歯科の先生たちが歯科の分野だけで考えるのではなく、歯科や医科の枠組みを超えて、知識を共有することが大切です。
普段は医科の先生に対して、歯科の先生が聞く機会はほとんどないですが、APAACではそれが可能です。さらに、企業も参加しているので、施術に使う機器などの話を歯科の先生が知識として仕入れることができます。今何が流行っていて、どういうものが最先端なのか理解すると、治療の内容が相当変わりますよね。
日本では、カダバートレーニングを受けるために1回100万円位掛かりますが、APAACは大会参加費にカダバートレーニングが含まれているのです。これを毎年継続して行っているのは、本当に素晴らしいことだと思います。
歯科医師も解剖学的なことを理解し医科と対等な知識の習得を
ーーー海外と日本の歯科の違いについて、感じたことを教えてください。
日本の歯科は咀嚼筋の支配部が範囲ですが、韓国やイタリア、そしてイギリスは歯科であっても顔面全てを手掛けることができます。世界のトレンドは歯科もフルで顔面を診ているのにその知識を持たないのは問題だと思います。
世界に目を向けると、アメリカなどでは歯科医はランク付けされていますが、日本は「本当に技術がある人と技術のない人の違いをどういうふうに見極めるか」という基準がない。
例えば、メタルを取り扱っている歯科医の先生が、メタルによって出てきたアレルギーを治療するのは、私は悪くないと思っているのです。目の整形や額を丸くしたりするのは医科が担って、医科と歯科の連携が取れると良いですよね。
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