再生医療の在り方とは『自己血を使用したサイトカイン療法』に至る道
2021.01.13
再生医療をはじめとした様々な自費治療に取り組んでこられた辻クリニック院長の辻直樹先生。「面白い結果が得られている」という『自己血を使用したサイトカイン療法』について語っていただいた。
再生医療は”最終治療手段”ではない
多くの方にとっての医療機関は「症状に気づいてから行く場所」です。しかし、自覚できるということは、それだけ病状が進行しているということ。若さを保ち、病気を知らない期間をいかに長くできるかという点に重きをおいています。開院以来、「細胞からのアプローチ」をコンセプトに、再生医療をはじめとした様々な自費治療に取り組んできました。
様々な疾病への効果が期待され、重篤患者への最終治療手段のように持ち出される再生医療ですが、そもそも「再生」とはどういったことなのでしょうか。「組織再生」と「細胞再生」が同じもののように語られることも少なくありませんが、再生医療とは、「各臓器の細胞を再生する」ということなのです。
臓器細胞の数を保つために絶えず繰り返されてきた「スクラップ&ビルド」のサイクルは、なぜ老いと共に乱れてしまうのか。「幹細胞の減少や機能低下」によるものなのか、「幹細胞に対するシグナルの減少や異常」によるものなのか、あらゆる可能性が考えられます。しかし、現在の技術では体内の幹細胞の数をカウントすることはできず、答えを導き出すにはまだまだ議論が必要であり、再生医療に過度の期待を負わせるべきではないと考えます。
炎症と抗炎症と成長因子——ブレーキとアクセルの考え方
二体のマウスの血管を縫合しつなぐパラビオシスという研究があります。老年マウスと若年マウスとをつなぐと、老年マウスは若返り、若年マウスは年をとりました。これにより、血中に若返りの成分と、老化を促進させる成分が含まれているという仮説が経ちました。しかしそれが血漿に存在するタンパクやリポタンパクなのか、幹細胞なのか、詳細まではわかりません。さらに、若年マウスから取り出した血清を老年マウスに投与すると、神経の若返りが見られました。老年マウスの幹細胞数が減少していたのならば、血清を打っても若返りは起きないはず。年老いても幹細胞は死滅せず、生体内に存在し続けている可能性を実験結果が示唆しているのです。このとき、再生を促進する因子が成長因子に、抑制する因子が抗炎症性サイトカインに一致することがわかってきました。
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