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アートメイクの「これまで」と「これから」—医療アートメイク学会―

アートメイクの「これまで」と「これから」—医療アートメイク学会―

2020.03.25

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医療としての安全性担保のため、医療アートメイク学会 代表理事として活動を行う池田欣生先生。医師からみた業界の課題、学会の今後の展望について伺った。

2005年、厚生労働省がアートメイクを医療行為として認定し、医師または医師の指示のもと、看護師が施術を行うことが義務付けられました。それまではサロンやエステでの施術が主流であったアートメイクですが、人気の高まりにつれ、不衛生な環境や知識経験不足の施術者によるトラブルが多く聞かれるようになっていたのです。
眉下切開術を行う際に、アートメイクをしているほうが、より美しい仕上がりに見えます。こうした理由から術前にサロンで施術を受けることをお薦めしていたのですが、医療法の改定により、それは医師として行ってはいけないことになりました。そのため、自分自身でアートメイク施術の勉強をすることにしたのです。

医療アートメイクと学会設立

医療法により医療行為は宣伝禁止とされているため、医療機関ではないサロンのような宣伝を打ち出すことはできません。「医療機関で受けるもの」という認識は広まりづらく、患者様が無資格者のところへ行ってしまう状態は改善されませんでした。針の使いまわしなどによる、B型・C型肝炎などの感染症リスクは後を絶ちません。
こうした状況を鑑みた警視庁が、トラブルを起こした無資格サロンなどの施術業者の摘発に動き出しました。しかし、警察は問題が起きてからでなければ稼働できず、代わりに施術業者へ色素などを販売する卸業者が逮捕されるようになったのです。
卸業者の逮捕は、私たち医療従事者にとっても大打撃でした。海外からの個人輸入で対処しようと調べてみると、これまで卸業者を通し使っていた色素のなかに、実は発がん性物質が含まれていたことが発覚しました。海外でのアートメイクの位置づけは「医療」ではなく、「文化」です。「FDA認可ですよ」と言われ信用していましたが、そもそも製薬会社が作ったものではなく、安全性のエビデンスが不十分だったのです。
アートメイクを医療行為とするのであれば、器具や施術者はもちろんのこと、色素も全て安全なものであるべきです。個人の力では正しい情報の収集にも限界があります。それを改善するべく、アートメイクを医療の場で行っていた団体を集め、2017年2月に「医療アートメイク学会」を発足させました。
学会設立の一番の目的は安全性の確立ですが、もうひとつ「メイクテクニックの向上」という目的もあります。私自身はプロからメイクを教わっていますが、通常業務のなかで、医師や看護師がメイクを学ぶ機会はありません。デザイン力の必要なアートメイクの技術力向上のために、こうした学習の場は必要不可欠だと考えたのです。

学会の役割と意義

日本・中国・韓国は、アートメイクを法律上医療行為と定めている数少ない国です。そのなかでもいち早く医療行為としての法整備を行った韓国には、公認の色素がありました。しかし後の調査で菌が含まれていたことがわかり、KFDA(韓国食品医薬品安全庁)により滅菌が義務付けられました。

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