老化を防ぐカギは糖化にあった!内科、整形外科、皮膚科、婦人科、泌尿器科、眼科、精神科、歯科などにおける予防医療(1)
2018.11.01
糖尿病で見られる老化の加速現象には、食・生活習慣の歪みの結果、生体内で蓄積してくるAGEが大きく関わっていることが明らかになってきた。
AGEをコントロールすることが、老年病を包括的に制御するカギとなる。
糖尿病患者さんの老化はなぜ加速する?
糖尿病の患者さんは、骨折しやすく、心血管病、認知症、がん、フレイルになりやすい。しかも、見た目年齢も高い傾向にあります。医学部を卒業して糖尿病の診療に携わっていた私は、糖尿病患者さんに共通してみられる老化の加速現象に興味を持ちました。「糖尿病と老化」を結ぶミッシングリンクは何なのかを考える中、AGE(終末糖化産物)の研究領域に入っていくことになります。ちょうど、今から30年前のことでした。
AGEは体内で起きる「メイラード反応」によって作られます。つまり、体内に存在する糖とタンパク質が非酵素的に反応し、体温によって加熱されることでAGEが形成されていくことになります。AGEは、いわば、焦げ。糖がコッテリとこびりついたタンパク質の成れの果ての物質だとも言えます。AGE化されたタンパク質は構造が変化し、機能も劣化します。そのため、糖尿病患者では体中のタンパク質にAGE化反応が促進的に起こり、働きが低下するため老化が加速していくのではないかと考えるようになりました。
医学部では学ばなかった「メイラード反応」
糖とタンパク質を加熱すると褐色の生成物が形成される、いわゆる「メイラード(Maillard)反応」は1912年に発見され、主に食品科学の分野で研究が進められてきました。医学の分野で糖化現象やAGEが注目されるようになるのは1980年代に入ってからのことです。実際、農学部では「メイラード反応」を早いうちから講義の中で教わるようですが、学生の頃、この反応を教わった記憶が私にはありません。
AGEは体内で起きる「メイラード反応」によって作られます。つまり、体内に存在する糖とタンパク質が非酵素的に反応し、体温によって加熱されることでAGEが形成されていくことになります。AGEは、いわば、焦げ。糖がコッテリとこびりついたタンパク質の成れの果ての物質だとも言えます。AGE化されたタンパク質は構造が変化し、機能も劣化します。そのため、糖尿病患者では体中のタンパク質にAGE化反応が促進的に起こり、働きが低下するため老化が加速していくのではないかと考えるようになりました。
不可逆的なAGE。糖化と酸化のクロストーク
では、もう少し、糖化反応の細かい部分を見ていきましょう。
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