国内で先駆的な腸内フローラ移植に取り組んでいる医療機関 (第二回)
2018.05.02
院長自身が潰瘍性大腸炎の罹患経験を持ち、自ら腸内フローラ移植(糞便細菌叢移植)の効果を実感している立場から院長ご自身のクリニックで実施している腸内フローラ移植および関連治療の現状を語っていただきました。三回連載のコーナーとなり、今回は第二回となります。
患者さん自身がストレスと感じる要因を見極めながら実施されている診療の現状と今後の展望
私が関わってきたさまざまな臨床現場で患者さんの状態に大きな影響を与えるものとして「ストレス」が軽視できず、日常の「ストレスマネジメント」の指導も不可欠と考えています。
限られた時間の中で主訴となっている症状にどのくらい心理的要因が関係しているかを推測するために、当院では問診以外にバウムテストやPOMSなどの心理検査も取り入れています。患者さん自身は必ずしも心理的な要因があることを気づかなかったり、認めたくないケースも多いのですが、心理検査の結果を見せることで自分のストレスに気付いたり、あるいは不健全な習慣や考え方の癖にもフォーカスしていただくことが可能になります。
「脳腸相関」という言葉も知られるようになりましたが、心理的ストレスを抱える方の多くは便通異常を伴うことがあり、支持的に心理カウンセリングを行いながら食事やサプリメントを活用し便通を整えることにもフォーカスすることがストレス耐性を強化させることにもつながります。
結局は様々なアプローチで腸内環境を整えることが、メンタルだけでなく全身の体調を整えることにもつながると実感しています。様々な手法で症状の改善が見込めないケースでは腸内フローラ移植も含めて検討していくことになります。
腸内フローラバンクを創設した背景と注腸方式から患者さんが得られるメリット
腸内フローラ移植において、従来の生理食塩水を使った方法では、クロストリジウム・ディフィシル感染症以外でまだ満足いく成績が得られていない背景として、ドナーの選択で家族(2親等以内を前提に)を選定していることがあげられます。家族の場合、同じような生活環境で日常生活を過ごしてきていることから同じような腸内細菌叢のバランスである可能性が高いためです。
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