日本を世界一の歯科先進国に 森下真紀先生
2020.09.09
ホリエモンこと堀江貴文氏推薦で話題の書籍『世界の一流はなぜ歯に気を使うのか』。著者である歯科医師の森下真紀先生に、出版のご経緯や日本の歯科業界に対してのお考え、「デンタルIQ」の向上にむけたお取組みを伺いました。
歯は精神面にも作用する
——歯科医師を目指したきっかけについてお聞かせください。
私が歯科医師という職業を目指すきっかけとなったのは、中学生の頃に受けた矯正治療でした。それまでは歯並びが悪く、大きく口を開け笑うことに抵抗がありました。しかし、矯正治療により歯がきれいに並んでいくにつれ、見た目の変化はもちろんのこと、気持ちにも前向きな変化が生まれていくことに気が付きました。こうした精神面においてもプラスに作用する矯正歯科という学問に対して興味が高まり、東京医科歯科大学歯学部歯学科へ進学するに至りました。在学中には奨学生として、イギリスのキングズカレッジ・ロンドン歯学部への留学も経験しました。この留学が、今私が取り組んでいる様々な活動の原点だと言えます。
予防意識の遅れ…日本歯科業界の課題
——留学中に印象に残った出来事や、気付きはあったのでしょうか。
イギリスに行ってみてわかったのが、日本人の歯に対する意識の遅れでした。「日本人の歯はなぜあんなに汚いの?」と、出会う人出会う人に訊ねられたのです。歯並びが悪いことや歯が黄色いこと、さらに口臭についても気にかけない日本人の無神経さを指摘する声が多いことに当時の私は驚きを隠せませんでした。
諸外国と日本との歯に対する意識の差はどこからくるのかと考えたときに、日本の歯科治療費が諸外国と比較して圧倒的に安いという点に行きつきます。例えば、アメリカにおける歯科治療は保険がきかず、高額な治療費が請求されることは有名な話です。私が留学していたイギリスでは、歯科治療において一部の負担金を支払えば治療を受けられる国営の医療制度(NHS)がありました。しかし、実際のところは、そうした医療制度のもとでの診察を受けるには数週間、数カ月とかかってしまうことも多く、すぐにでも治療を受けたい場合には自費での診療を選ばざるを得ない環境がありました。このような医療環境ゆえ、高い治療費を払わなくて済むようにと、欧米では幼いころから予防のために歯科医院に通う習慣が根付いています。
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