コロナ特需でどう変わる？　自費での『オンライン診療』活用方法

2020.04.09

新型コロナウイルス拡大防止のため、厚生労働省は「オンライン診療」の利用条件を緩和し、従来初診は対面でないと利用ができなかったところを、初診からの利用を可能とする方針を打ち出した。これは新型コロナウイルスの感染を防ぐための措置として広く適用されるため、感染が疑われる患者だけでなく、ほかの疾患で受診を希望する患者も対象となるという。(注１)
また、LINEヘルスケアが提供するチャット形式での相談ツール『いますぐ相談』と『あとから回答』の2種類も、4月以降、無償提供されることが発表されるなど、新型コロナウイルスをめぐって、医療の現場ではオンライン診療の活用が期待されている。

発熱やせきといった症状で患者が訪れない自費診療クリニックであっても、人と接触している以上、新型コロナウイルスへの感染リスクは当然ある。今回の新型コロナウイルスの蔓延を受けて、オンライン診療の導入を検討する自費クリニックも増えているという。
7日に東京を含む7都府県を対象とした非常事態宣言が出されたことにより、一層外出の自粛は進み、ますます客足が遠のくことが予想される。そんな今だからこそオンライン診療の導入を検討してみてはいかがだろうか。

(注１)4/9時点で対象となるのは、「新型コロナウイルスが疑われる症状がある場合」と「外出自粛や2次感染防止の観点から、対面での受信を控える場合」のみ。後者は、「今、どうしても」受診が必要な場合に限られるため、美容やアンチエイジングを目的とした自費診療は対象外となる。(新宿区保健所見解)
また、感染が収束するまでの時限的な措置とすることから、3か月ごとに検証と見直しが行われる。

オンライン診療を取り入れるメリットは？

そもそもオンライン診療とは、スマートフォンやパソコン、タブレットなどを用いて、インターネット上で医師が患者を診察・指導するシステムである。原則、初診は対面でないといけないというルールが設けられている。これは、オンライン上での診断は対面でのそれに比べて、得られる情報が少ないことから、医療の質を担保するために定められたルールである。
また、今かかっているものとは別の疾患で受診を希望する場合には、新たに対面での初診が必要となる。例えば、オンラインでAGA治療の診療を受けていた患者が、花粉症の症状を訴えた場合、花粉症の診療をするためには一度対面で行わなければならないのだ。

オンライン診療を利用する、患者側からのメリットはというと、
・予約制であるため待ち時間がない
・クリニックに出向かなくても済むため自宅や遠方地からでも受診が可能
・昨今の情勢から、院内で2次感染する危険性がない
などの点が挙げられる。

導入するクリニック側のメリットとしては、予約管理の簡略化、オンライン決済による窓口業務の効率化、空き時間を利用することができるという経営上のメリットなどが挙げられる。特に、新型コロナウイルスによる都市封鎖の可能性が示唆されている現状では、クリニックに出向かなくてもよいというのは患者と医師の双方にとって大きな利点であるといえる。