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【一般社団法人 日本美容内科学会】真に効果的で安心・安全な美容内科医療の構築と普及のため学会を設立

【一般社団法人 日本美容内科学会】真に効果的で安心・安全な美容内科医療の構築と普及のため学会を設立

2023.11.29

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スペシャル対談 青木 晃 先生✖️池田 欣生 先生
これまで、美容医療のフィールドには、日本美容外科学会(JSAPSとJSAS)、日本美容皮膚科学会の2つの学会がありましたが、加えて今回、内科学的な側面から美容医療を探求する「一般社団法人 日本美容内科学会」が設立されました。真に効果的で安心・安全な美容内科医療の構築と普及を目的に設立された同学会について、設立のキーマンである理事長の青木 晃 先生と副理事長の池田 欣生 先生にお話を伺いました。

情報交換の場になる意義のある美容に特化した内科学会

ーーー学会を設立した経緯を教えてください。
池田 欣生 先生(以下、池田)
2009年に日本アンチエイジング外科学会を設立したのですが、当時からサプリメントやプラセンタ注射など内科的なものも好きで、自分自身もやっていました。内科的な治療は外科と違い効果がわかりにくいです。消費者目線になった時に、効果がわかりにくいものほど一生懸命勉強しないといけないと思い、美容内科に精通している青木先生に協力してもらうようになりました。

青木 晃 先生(以下、青木)
その日本アンチエイジング外科学会の中で、ダイエットやサプリメント、点滴療法など、美容内科の部門を作っていただいたんです。そこで今は亡くなった松山淳先生と「いずれ美容内科学会として独立した会を作ろう」とずっと話しており、今回池田先生にお声がけして設立することになりました。美容外科や美容皮膚科の先生と一緒にやっていて初めてしっかりしたものができると思っていますので、副理事長に外科系の池田先生、皮膚科系に岩本麻奈先生、婦人科出身で病理もお得意な斎藤糧三先生にも協力をお願いしました。

ーーー池田先生は、お声がかかりどんなお気持ちでしたか?
池田
すごくいい試みだと思いましたね。当クリニックでも、話題のエクソソームや幹細胞点滴を提供していますが、それらを導入しているのは業者さんが信頼できるという理由です。実際自分も点滴を受け良かったのですが、ただもう少し科学的な選択の理由が必要だと思っています。美容医療の皆さん同じだと思いますが、業者さんが信頼できるからではなく、本当にそれが良いものかどうかということを開業医同士で情報交換する会ができることはありがたいです。

青木
20年以上美容のフィールドにいて感じるのは、外科と皮膚科、そして内科は、流れている時間が違うということです。外科はフェイスリフトの手術をやれば、1日ぐらいで若返りの効果がでます。皮膚科はレーザーや光治療などで、数日から数週間の単位で効果が出ます。しかし、内科はホルモンを投与したり、サプリメントを取ってもらったりしても、その効果が見えるには、数ヶ月から数年かかるんです。薬もサプリも点滴も長期的な安全性が担保できていないものがありますが、そういうものに対して美容外科の先生たちと内科出身である自分との時間軸の考え方にずれがあると感じていました。本当に安全でエビデンスがしっかり出ているものを、内科医目線で患者さんやユーザーサイドに、作ったり提供したりしなきゃいけませんが、美容医療の昨今の流れはそうだとは言い切れません。

これからは、予防医療に基づいた美容医療になっていく

ーーー具体的に教えてください。
青木
例えば内科のアンチエイジング療法であるNMNは、サプリメントに関してはいろんな臨床でのデータがあります。しかし、業者が主導でエビデンスのないNMNの点滴や吸入のガスを作ったんです。NMNは、口から入れて胃で吸収される時にワンクッションあることで安全性がありますが、点滴で入れると神経変性疾患を引き起こす恐れがあるという意見も後から出てきて、医療関係者がNMNの点滴に対して少し懐疑的になりました。健康な人がより美しくなるためにすることで、健康を害すことがあってはなりません。そういった問題点を内科目線で検証する必要があると思います。これからの美容医療は、予防医療に基づいていくと考えています。現に、再生医療や幹細胞培養上清液、エクソソームなどがすでに人気ですが、人気に流されるのではなく、きちんとサイエンティフィックに提供していきたいですね。

ーーー外科医目線ではどう思いますか?
池田
例えば脂肪吸引に関して、脂肪吸引をしたからきれいになれるというわけではありません。脂肪吸引をした後に脂肪細胞が減ると脂肪細胞が出すサイトカインが減って、太りやすくなるんです。だから脂肪5キロ吸ったのに10キロ太ったりすることも起こるため、内科的なアプローチも絶対に必要になります。その際、今で言ったら糖尿病治療薬であるマンジャロなどが有名ですが、そういうお薬を健常の人にダイエット薬として出してもいいのかどうかとかいうデータについては、門外漢なので、内科の先生に教えてもらわなければなりません。今同じ用途で広がっている従来のGLP-1製剤にも良いところも悪いところもありますが、悪いところはなかなか情報が広がりません。そういうマイナスの情報を患者さんや自分の身を守るためだけでなく、学会を通して美容医療業界全体で情報を共有することが非常に重要だと思っています。

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