研究と臨床から未知を解き明かす 私が自己血サイトカイン療法を選ぶ理由 M再生クリニック 飯塚翠先生
2021.07.08
クリニック併設のCPCを持ち、幹細胞治療と研究に取り組まれるM再生クリニックの飯塚翠先生。そんな飯塚先生が、“再生医療新法適用外”の治療「自己血サイトカイン療法」を提供されている理由を伺いました。
「自分自身の再生能力を活かす方法」を考える時代に
私が再生医療に興味を持ったのは2012年のこと。北京大学在学中に留学していたハーバード大学で、幹細胞研究を目の当たりにしたことがきっかけでした。長い医療の歴史から見れば、当時は今以上に発展途上の分野でしたが、「自分自身が持つ本来の再生能力をいかに引き出し、病気を治していくのか」これからはそうしたことを考える時代になっていくのだろうと感じたのを覚えています。
幹細胞は、日々死んでは生まれ変わる細胞の再生に不可欠な存在です。自己複製能や多分化能といった能力を備えていることから、様々な疾患の治療に応用できるのではないかと期待が寄せられています。
2019年に開院した当院は、再生医療をクリニックの”柱”としており、自己脂肪組織由来幹細胞での「慢性疼痛」と「変形性関節症」の第2種再生医療提供の許認可を取得しています。また、一貫した治療提供のために、CPC(細胞培養加工施設)を併設し、研究と臨床の両方に力を入れています。こうした当院の取り組みに期待して、国内外から患者様が来てくださいます。
再生医療にハードルを感じる患者様のために
変形膝関節症を例に挙げてみましょう。この疾患における当院の患者様の年齢層は50代から80代くらいまで、職業や生活スタイルなどの背景は様々。「歩くと痛みを感じるけれど、少し休憩すれば和らいでいく」という初期の方、「常に痛みがあり、正座や階段の昇り降りが難しい」といった進行期の方まで、進行度合いも様々です。皆さんが共通して抱える「痛み」は、私たちが思う以上に患者様のQOLを下げてしまう深刻な問題です。
医師の皆さんはご存じのとおり、国内では病状の進行度合いに応じて、ヒアルロン酸注入などの保存療法や、人工関節置換術といった手術治療が行われています。「保存療法には満足できなかったけれど、まだ手術に踏み出す勇気が出ない…」こうした患者様に、ふたつの治療の中間的な位置づけで、幹細胞治療を提供しています。
私自身、幹細胞治療には可能性を感じています。しかし材料となる脂肪の採取の後には4~6週間ほどの培養期間が必要となり、かかる費用も決して安価とは言えません。今すぐに治療を受けたい方や、遠方からお越しで次のご来院の目途が立たない方、費用などの理由から幹細胞治療にハードルを感じる方のための治療メニューが必要だと考えていました。
再生医療に関心を持つ入口として
そのような折に、信頼しているメーカーさんからのご紹介で「自己血サイトカイン療法」を知りました。患者様から採取した血液をガラスビーズ入りの容器に入れ、恒温器内でインキュベーションすることにより抗炎症性サイトカインと成長因子を放出させ、得られた血清を患者様に投与する、という治療法です。血清は数時間で完成するので、当日投与をご希望される方から特に喜ばれています。
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