健康の鍵は医師による戦略的な栄養指導 植物由来の天然成分サルベストロールとは
2021.03.01
病気にならない身体づくりのため、栄養療法に取り組まれる柳澤厚生先生。医療と食との関係性や、現在注目されているという成分「サルベストロール」についてお話いただきました。
医療機関を「予防のために行く場所」へ
「食べたものが身体を作る」こうした考えのもと、必要な栄養素や食事を選択的に摂ることの重要性を長きにわたってお伝えし続けています。超高齢化社会に突入し、予防医療の大切さが謳われていますが、患者様の意識も医療従事者の意識もまだまだ追いついていないように感じます。患者様にとっての医療機関は「身体の不調に気づいてから行くところ」。これを「不調にならないために行くところ」へと変えなければなりません。私たち医師は、患者様の身体に現れた症状に対処するだけでなく、「症状の現れない、病気にならない身体づくりをサポートをする」と自分たちの役割を改めて考えていかねばなりません。栄養療法に興味をもち、学ぶ医師が増えていけば嬉しいです。
オーガニックだからこそ得られる成分「サルベストロール」
欧米を中心に、世界ではオーガニックへの関心が高まりを見せています。オーガニックとは、農薬や化学肥料を使わない野菜や、添加物を含まない食品を指した言葉。農薬が人体や環境に及ぼす影響が問題視されていることから、オーガニックを暮らしに積極的に取り入れる人が増えているのです。
日本は、こうした流れに遅れをとっています。「厳しい管理のもと作られた日本の野菜や食品は安全」多くの人にそう思われていますが、日本の耕地面積あたりの農薬使用量は非常に高いというデータがあります。また、日本国内でのオーガニック農作物は、「高価で手に入りづらいもの」だと思われがち。皆いいものだとわかっていても「自分には縁遠いもの」だと考えてしまう現状があります。
「無農薬だからいい」「栄養成分が豊富だからいい」これらはオーガニックを選ぶことのメリットとしてよく聞かれる考え方です。ここに医学的観点を加えると「オーガニックだからこそ得られる成分がある」ということです。野山に自生する無農薬の植物は、細菌や真菌などの外敵からの攻撃にさらされると自身を守るためにファイトアレキシンという防御物質を作り出します。このファイトアレキシンは植物種によって異なるのですが、そのなかで私が現在注目しているのが「サルベストロール」という、2000年頃に発見された新しい成分です。
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