
美容医療認定看護師制度、本年度よりスタート
2024.10.29
急速に発展する美容医療業界で、欠かせない重要な役割を担っているのが美容看護師です。華やかなイメージが先行されがちですが、美容看護師の役割は医師を補助するだけでなく、時に医師の監督下で施術も任されるなど、その責任は重大と言えます。深い知識と高い技術が要求される美容看護師自身も、学びの場、スキルアップの場を求めています。その声に応えるべく、一般社団法人日本コスメティック協会は、美容医療に関わる看護師を対象に、美容医療認定看護師制度を本年度よりスタートさせました。美容医療認定看護師制度とは、どんな制度なのか、理事長である川島 眞 先生に伺いました。
生涯教育の場を提供したい
美容医療認定看護師制度とは、美容医療に従事する看護師に必要な知識と技術を極め、より深めるための資格制度です。当協会が開催する学科試験と実技試験に合格することで美容医療認定看護師資格が取得できます。資格を取得した方には、日本コスメティック協会が提供する学習の場を利用してもらいながら、さらなる知識と技術の習得を続け、ステップアップに活かしていただきたいと思っています。
この制度は、学科試験に加えて実技の技術評価も実施します。すでに美容医療の現場で実績を重ねている方には、これまでの経歴、勤務年数、施術件数のほか、5つの施術について留意している点を記載し、施設責任者の署名のある申請書類を提出していただき、技術実績が十分かどうか、私自身が確認しています。これから美容医療への参入をお考えの方には、美容看護師育成スクールであるメディカルスキンケアスクールで、1ヶ月の間に9つの施術の実技講義に参加して技術を身につけていただいています。
学科試験は、当協会が作成し、美容看護師として絶対に必要な知識をまとめた教書に準拠した問題を出題。問題もすべて私たちで熟考を重ね用意したものです。皮膚科学に必要な知識を盛り込んであり、レベルとしては結構高いと思います。初回の試験参加者は、もともと意識が高く熱心な方ばかりとあって、306名受験者のうち、学科試験は251名の合格者が出ています。当初は、最終的に1000人くらい美容医療認定看護師を誕生させたいと考えていましたが、もう少し増えていく気がしています。
最新知識と基礎知識の融合が必要
美容医療は常に新しい施術が入ってきます。この資格試験も、資格の取得だけが目的ではなく、資格取得後に、いかにキャリアアップしていくかということに重きを置いています。これまでは、医師には学ぶ場の用意が多くありましたが、看護師、とくに美容看護師には学ぶ場がなかなかありませんでした。しかし、美容看護師の責任は重大です。一般的な医療では医療行為は医師のみの仕事ですが、美容医療では、医師のほかに医師の管理下において看護師も医療行為を行います。そのような役割が与えられるのは美容医療以外ありませんので、現場で最上の医療を提供している、と自信を持つためにも学びは必要だと考えています。
当協会が、資格取得者に向けて近々で考えている講義は、基本からの皮膚科学です。たとえば、ニキビはなぜできるのか、有効な治療法は何か、自費診療ならば何を選択するのか、そういったことを系統立てて解説して、WEBで配信する予定です。
美容看護師全体のレベルの底上げのために
美容医療業界の課題は、今まで認定制度が確立されていなかったことによる意識のバラつきです。そのためプライドを持ち、高い知識と技術で美容を医療として取り組む美容看護師が増えている一方で、華やかできれいなイメージだけで美容看護師を目指す看護師も一定数います。
これだけ美容医療が急速に発展している今、美容医療に携わる看護師全体に新ためて、リスクもあり責任と覚悟のいる仕事であることを自覚していただきたいと思っています。美容看護師に学びが必要なこと、その機会は自分で掴まないといけないことを広く周知させ、熱心な美容看護師のみならず美容看護師全体のレベルの底上げを実現していきたいですね。
また今後、美容看護師への転職を考えている方は、安易な心構えではなく強い覚悟と学び続ける姿勢を持ち続けていただきたいです。
その上で、学びを続けた後には、スキルアップを考えることもあるかもしれません。その際にも当協会は、情報共有の場として美容看護師の技術に見合った適切な場所へと紹介できるシステムも用意しており、美容看護師が希望の道で輝けるよう応援していくつもりです。
–MEDICAL SKINCARE SCHOOL–
日本コスメティック協会認定
美容看護師育成スクール
メディカルスキンケアスクールは美容看護師施術の技術取得ができるスクールクリニックです。
東京女子医科大学 名誉教授
東京薬科大学 客員教授
川島 眞 先生
かわしま まこと●1978年に東京大学医学部医学科卒業。東大附属病院における皮膚科の研修を経て、87年に東京女子医科大学皮膚科講師に就任。88年同大学助教授。92年より同大学教授。2011年一般社団法人日本コスメティック協会の立ち上げに参画。18年より医療法人社団ウェルエイジング・医療法人翠奏会・医療法人リアルエイジ静哉会総院長を務める。
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