学会レポート『第64回日本形成外科学会総会・学術集会』
2021.04.26
会期:2021年4月14日(水)~16日(金)
会場:ホテル椿山荘
会長:朝戸 裕貴先生 (獨協医科大学形成外科学 教授)
新型コロナウイルスの感染拡大により、昨今の学術大会のありかたにも大きな変化が生まれている。現地とオンラインのハイブリッド開催となった今回の第64回日本形成外科学会からは、「新しい生活様式」を感じることができた。当日の様子をお届けする。
入場前には健康調査票の記入、講演ごとのマイクの消毒、各所に配置された消毒液など、徹底した感染対策が行われていた。また、今回はすべてオンラインでの事前参加登録が必須となっていた。
現地開催のプログラムのほか、特別講演や教育講演、シンポジウム・パネルディスカッションの多くが後日Web配信される予定となっている。ポスター演題は会期中にWeb上で閲覧可能となっており、遠方からの参加が難しい医師への配慮がなされていた。
会長の朝戸先生は、『今年はテーマを「Evolution」とし、先人の先生方が築き上げてきた土台から継承し、改良、発展を遂げてほしい』と述べた。
自費研編集部が特に気になったのは、「最新医療機器の応用による手術術式の変革」のシンポジウムである。
今まで、外科手術には「医師の職人的な技をもってして成功するものというイメージがあった。だが、現代においてその概念はもう古いのかもしれない。
医科と歯科の連携による例では、CAD/CAMシステムを用いて、顎骨手術時にガイドとして使用するプレートを歯科技工所で作成。補綴物の作成率向上とプラン通りの再建が可能になってきたという研究報告があった。
ガイドを用いてシュミレーションすることにより、テーラーメイドでの再建手術が可能になったということである。ただ、顔貌の再建には軟組織の再建も不可欠であり、そちらは並行して今後の課題とする、とのことであった。
また別の研究では、工学部とタッグを組み、力学を応用したプログラムを開発。漏斗胸の手術結果の差異を少なくするシステムの設計などの発表があった。
▲2022年は大阪での開催が予定されている
展示会場には約100ほどのブースが出展していた。リアルでの接点を求める医師たちにとって、やはり直接製品を見て触れられる機会は重要であるようだ。
リアルとオンラインでの学びの場の参考事例として、今年の日本形成外科学会総会は成功裡に幕を閉じた。
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