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楽天がコロナ検査キット発売 PCR検査をどう考えるべきか
2020.04.24
4月20日に楽天が発売したPCR検査キットが議論を呼んでいる。新型コロナウイルス感染拡大のなか「検査を受けさせてもらえない」といった声も多く聞かれ、検査対象をどこまで広げるべきかについては、かねてから専門家や各団体でも様々な意見があがっていた。
発売のPCR検査キットとは
今回楽天が発売を開始した「新型コロナウイルスPCR検査キット COVID-19 PCR」。これは同社が出資するジェネシス株式会社が開発したもので、楽天が窓口となり、現在、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城の法人向けに販売されている。
キットを使い自分で検体を採取しジェネシスヘルスケアに送ると、3日ほどで検査結果を受け取ることができる仕組みとなっている。定価は1キットあたり税込み14,900円、最低購入数を100キットとしており、決して安価ではないものの、ホームページには「現在、大変多くのお申込みをいただいており、順次ご対応をさせていただいております。」との記載もあり、問い合わせが集中していると考えられる。
(楽天ホームページより)
医療的診断を提示するものでなく、感染疑いがあれば使用不可
楽天はこの検査キットを「特定の症状は出ていないものの、不安を感じられる方を対象」と位置付けており、ホームページには以下の注意書きがでている(一部をホームページより抜粋)。
本検査キットについての注意事項
・本検査キットを用いたリスク判定は、いかなる意味でも診断や医行為を行うものではありません。
・本検査キットおよびそこに含まれる採取棒・試料保存液入りチューブは医療機器ではなく、本検査のための試料の採取・返送以外の目的には使えません。
・本検査キットは、遺伝子(個人遺伝情報)を解析・検査するものではありません。
・厚生労働省が新型コロナウイルス感染症に関する相談・受診の目安として挙げている症状の出ている方は、使用いただけません。
(参照:1)
つまり、PCR検査キットとして発売しているものの、結果を参考にした診断ができないということで、SNSなどを中心に批判が相次いでいる。医療機関で正式な手順を踏んで行う検査であっても、陽性的中率が100%になることはありえない。そのような現状があるのに、自己採取の検査にどれほどの精度があるのかと疑問視されているのだ。
感染症専門医の忽那賢志氏は、自身の署名記事で「本キットを使用する意義が不明。検査とは本来、ある疾患の可能性を高くしたり低くしたりする目的のため行うもので、診断に寄与しないのであればそれは検査の意味を成さない」と、PCR検査キットの個人使用を控えるよう呼びかけている。(参照:2)
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