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時代の先駆者たち~歯科の自費領域でさまざまな活動を行う 日本アンチエイジング歯科学会会長、松尾通氏~

時代の先駆者たち~歯科の自費領域でさまざまな活動を行う 日本アンチエイジング歯科学会会長、松尾通氏~

2019.10.18

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日本アンチエイジング歯科学会の会長として精力的に活動を行っている松尾通氏。松尾氏の歯科業界に対するお考えを伺う為、一般社団法人日本顎顔面美容医療協会 会長 服部敏先生とご対談いただいた。

服部氏:本日はよろしくお願いします。
さっそくですが、私は開業して20年になります。以前は、私の技術を向上させることによっていかに多くの患者を救えるか?それが私の院の評価にも繋がると思っていました。しかし患者と長く付き合ってくると、ただ虫歯を治して日常に返すのが歯科医師の役割ではないということに気づきまして。もっと多くのことを学びたいと思って「アンチエイジング歯科学会」に加入した、というのが私と学会との最初の繋がりです。

松尾会長:それはありがとうございます。先生のような現役バリバリの歯科医師にそう評価していただくととても嬉しいですね。

服部氏:体系的にさまざまなものを学びたいと思ったとき、結局「アンチエイジング歯科学会」しかなかったんです。それはいまも一緒ですね。

松尾会長:私は昔から学会・団体を作ることに慣れています(一同笑)。アメリカで修行していたとき、歯科医師が担っている分野が日本と全然違うことに気づきました。日本の歯科医師がやるべきことはもっと無数にあるぞ、と思ったことがきっかけです。日本歯科東洋医学会や日本歯科審美学会、変わったところだと、日本顔学会とか。これまでに10くらいの学会や団体の設立に係わり人に継承してきました。いまは「アンチエイジング歯科学会」に活動を絞っています。何かを変えたいと思ったときは「フラッグシップ」が大切です。旗を掲げると、必ず賛同してくれる仲間たちが集まって来ます。

服部氏:アンチエイジング歯科学会の設立は2005年ですから、今年で14年目を迎えますね。

松尾会長:まあ、私の欠点はなんでもちょっと早すぎることのようです(一同笑)。アンチエイジングが流行語にノミネートされたのは2006年のことです。設立したころはアンチエイジングという言葉はあまり知られていなかった。いまはウェルエイジング、ヘルシーエイジングなどの用語もあるように、ずいぶん一般にも浸透してきましたね。

服部氏:この学会ですごくいいな、と思っているのがさまざまな資格制度が充実していることですね。それも、歯科医師だけではなく衛生士たちも認定資格を取得することができる(ビューティーアドバイザー、サプリメントアドバイザー等)。これは本人のモチベーションに繋がって意欲的に働くための動機づけになりますね。離職率も下がります。

松尾会長:沖縄の学会員のクリニックを訪ねたときに、ズラリと認定資格が並んでいました。あれはとても嬉しかったなあ。その先生も同じことを言ってましたよ。認定証そのものはただの紙ですが、それが仕事に自信と誇りをもたらします。同時に責任が芽生えてきて、下手なことはできないという学習意欲にも繋がる。スタッフを巻き込んで医院を運営してゆくのにとても有効的です。

服部氏:私もまったく同じ状況なんです。学会に入ってセミナーを聞くと、今度はその周辺分野を勉強しなければいけない。食事指導に踏み込もうとすると栄養素の理解が必須になる。全身管理の大切さを実感したら糖尿病から認知症まで次々とおさえなければならないことがどんどん出てくる。開業して20年たって、ますます勉強する必要に迫られています。

松尾会長:私の座右の銘は「学習こそ最高の贅沢である」というものです。いい車に乗りたい、ブランドバッグを持ちたい、高級な食事をしたい、それもいいでしょう。でも最高の贅沢は、学び、習得し、向上することです。中世に、日々の衣食住にかかわらなくてよい貴族たちの最高の贅沢が勉強だったのは非常に示唆的です。いまこの豊かな国において、学習という贅沢を享受しないのはとてももったいないですよ。

服部氏:全くそのとおりだと思います。習得したことは、今度は実践で使いたくなります。ご承知のとおり、いま歯科の開業医は時代的に苦しい状況にあります。自分のやれることを増やして患者に総合的な提案ができるために、まず学習して実践に役立てるのが全歯科医師に求められてきています。

松尾会長:歯科医師は「歯」を見ているのではない、咀嚼・嚥下機能のプロである、と私は思っています。あらゆる生物は食べ物を摂取しなければ生きていけない。赤ちゃんからお年寄りまで、歯科領域は人間の根本的な生存活動の基本をつかさどっているんです。例えばいま力を入れているセミナーは、「歯科医が感染症医となる日」と題して、歯周病、糖尿病、認知症との関連性を探ります。歯周病を全身感染症としてとらえる動きを、もっと多くの歯科医師に学んでもらいたい。

服部氏:最近、歌手の堀ちえみさんが、なかなか治らない口内炎が舌癌だったと診断されて、「かかりつけの歯科医はその判断がつかなかったのか」とずいぶんメディアで話題になりましたね。全身管理の重要性を理解する歯科医師もずいぶん増えて来ましたが、まだまだ少ない印象です。

松尾会長:気を回して、「念のため口腔がん検診を受けてみたら?」を言えたら良かったのかもしれない。歯科医は思っている以上にもっといろんなことが出来るし、やれるはず。それが思いがけないことから身を守ることにも繋がるかもしれない。

服部氏:歯科クリニックの医科との違いは、歯科は「継続的に患者と関わることができる」というところだと感じています。一度や二度で終わることはなく、メンテナンスのためにリピートする傾向が強いのが歯科の特徴です。だから歯科医は患者との接触ポイントが多いはず。栄養指導から身体の不調のヒアリング、生活習慣から予防まで、知識をつけたらもっと患者と深く関わることが出来るはずなんですよね。

松尾会長:そうです。ですから、学会にはあらゆる方にアドバイザーとして関わって頂いています。内科医、獣医、眼科医、衛生士、看護師、メイクアップアーティスト、接遇講師、栄養士まで、「歯科」の名前がついていますがあらゆる職種に門戸を開いている。私はたくさんの専門分野を融合して横断的なことを学べるような環境を作りたいんです。ある学会員の中には、栄養士を5人も雇用しているクリニックがあります。そもそも医科の先生方でもなかなか栄養士を使って連携がうまくいくケースは少ない。歯科医師がいかに多くジャンルに関わるチャンスがあるかを表している例だと思っています。

服部氏:いつも各種セミナーで取り上げられる内容の多彩さに驚くのですが、どのような手順で決めていらっしゃるんですか?

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