
「医療で身体を、音楽で心を癒したい」現役医師による音楽ユニット Insheart
2019.10.01
福岡を中心に活動するInsheart(インスハート)は、ボーカル・バイオリン担当のToshiさんと、ギター・作詞作曲担当のJyunさんからなる音楽ユニット。現役ドクターでありながら、ライブをこなすふたりの活動は注目を集め、楽曲制作の依頼が殺到している。「命」をテーマにした楽曲の多くは、病気に苦しむ人たちの実体験を基にしている。主題歌を担当する映画「いのちスケッチ」の公開や、ニューヨーク公演などを間近に控えるInsheartに、医師として、ユニットとしての想いを語っていただいた。
Q.おふたりの専門領域についてお聞かせください
Toshiさん(以下T)形成外科を専門にしています。当直などもあり忙しいですが、手術など多くの経験を積めるので、毎日楽しくやれています。ふたりとも福岡県内の病院に勤務しています。
Jyunさん(以下J)僕は精神科です。医師という職業に憧れがあったのですが、一般の大学へ進学し、心理系の学問を専攻していました。人の心に興味があったので、卒業後医学部へと進み、今に至っています。
Q.おふたりの出会い、Insheartとしての活動のきっかけについて教えてください
T 出会いは長崎大学医学部時代です。軽音楽部で一緒にバンド活動をしていて。当時やっていたのは激しい音楽で、金髪のかつらをかぶったりしていましたね。
J 僕は金髪ではないですが、頭を振っていましたね。化粧とかしていたよね?
T 正しくは”させられて”だね。タトゥーシールを貼ったりもしました。今とは大違いです。大学を卒業してからは、ふたりとも音楽活動からは離れていました。それでも定期的にごはんに行くなど、交流は続いていて。「危険な状態で救急外来へ運ばれてきた患者様の命を繋ぐことはできたけれど、なかなか元気にならない。身体は治せたはずなのに…」とお互いに似た経験をしていることに気づいたんです。
J 「死にたい」と言っている患者さんを目の当たりにして、医療では支えきれない部分を、何か別の形で補いたい。そう考えた時に、僕たちの出会いのきっかけになった音楽がいいんじゃないかと。病院内でのコンサートから、僕たちの活動がスタートしました。ユニット名のInsheartには、”Inside your heart(あなたの心に寄り添う)”という想いが込められています。
Q.楽曲のテーマはどのように決めているのでしょうか
J 大きくは「命」をテーマにしており、僕が全ての作詞作曲を担当しています。最初は精神科医として関わった患者さんのお話を基に制作していたのですが、最近ではご依頼を受けることも多くなりました。「乳がんのお母さんと、そのお子さんを元気づけられるような曲を作ってほしい」というご依頼を受けたり。ふたりで実際に患者さんやご家族に会いに行き、伺ったお話を楽曲に反映させています。
そういった理由もあって、歌詞はとても大切にしています。作曲先行で、あとから歌詞を付けるということはまずありません。限られた文字数でどれだけのことを伝えられるか。ひらがな一文字でもその意味は変わってくると思うんです。たとえば「生きている」と「生きてゆく」。後者からはその人の強い意志を感じることができますよね。小さな違いも大切にしていきたいです。
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