世界初のiPS角膜移植 阪大研究チームが発表
2019.09.02
大阪大学は29日、iPS細胞から角膜の細胞を作り、患者への移植を行ったと発表した。iPS細胞由来の角膜細胞を患者に移植したのは、これが世界初となる。
臨床研究は西田幸二教授主導で進められた。京都大学から提供を受けたiPS細胞を角膜の細胞に変化させ、厚さ0.03~0.05ミリのシート状に加工したものを切り取り移植した。
今回移植を受けたのは40代の女性患者。角膜が濁り視力が低下する「角膜上皮幹細胞疲弊症」だった。手術は7月25日に行われ、女性は8月23日に退院。ほぼ失明状態にあった視力が、現在は文字が読める程度に回復しているという。
今後は免疫抑制剤を投与しながら、経過を観察、安全性について調べていく。
研究チームは年内に2例目、来年に2例の実施を予定しており、5年後をめどに実用化を目指す。これまで有効とされてきた角膜移植には、ドナー不足や移植後の拒絶反応などの課題があった。今回の治療が一般提供可能となれば、治療の選択肢を拡げることとなるだろう。
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