不老不死の根拠を求めて 杉本達芳先生インタビュー

不老不死の根拠を求めて 杉本達芳先生インタビュー

2019.07.09

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秦の始皇帝が「東の国に不老長寿の薬あり」と探し求めた昆布。その昆布の先端部「ガニアシ」の優れた栄養に注目し、古くから伝わる不老不死の根拠を求めて研究を続けてきた健康予防科学研究所所長 ・医学博士・杉本達芳会長のインタビュー。

副作用のないものを ガニアシとの出会い

私は大学卒業後、日本農薬株式会社の研究所と医薬部で新薬の研究開発を担当していました。最初に開発に係ったのは肝硬変の薬で第一三共株式会社が販売しているカンテック。だけどこれは副作用がすごく強いからあまり有名にはなりませんでした。もうひとつは抗真菌剤ラノコナゾール。アスタットという商品名で、株式会社ツムラが販売しています。

医薬品の開発をひと通りやって、私は会社を辞め、大学の先生になりました。なぜかというと、薬の副作用の強さに疑問を抱いたから。自分のなかで化学薬品はもう無理かなあという気持ちがあって、自然食品に関心を持ちました。国立大学法人・北見工業大学の客員教授として招かれた際に選んだ研究素材がガニアシでした。

ガニアシとは、昆布の仮根(かこん)のことで、根昆布のさらに下にあって、岩などに固着するためのもので、カニの足に似ていることから、東北、北海道南部の漁師たちの間で「ガニアシ」と呼ばれていました。このガニアシはとても硬くて食用には向かないと、長年破棄されていたと聞きます。その頃、前任の教授が株式会社カイゲンファーマのサポートを受けてガニアシの研究をしていました。私はその研究を「不老不死」(アンチエージング)と位置付けて日本農薬株式会社研究所時代に一緒に仕事していて、その後東京大学の教授になっていた眞鍋昇先生(現・東京大学名誉教授)に研究をお願いしました。

「昆布は不老不死」その根拠を求めて

昆布は昔から不老長寿に効くって言いますよね。例えば沖縄の人は、非常にたくさん昆布を食べるから長寿と言われてきました。富山県の人は魚をこぶ締めにするし。蒲鉾も昆布で巻くことも有名で、こちらも沖縄と同じく健康県として知られています。

でも研究を始めるときまで、昆布が長寿に効くという科学的根拠はひとつも見つかっていませんでした。「昆布を食べたら毛が生える」「昆布水を飲めば血圧が下がる」みんなが知っているこれらの話にも科学的根拠は示されていませんでした。じゃあ僕たちがそれを検証してみましょう、ということで実験を始めました。

最初にやったことは、老化促進モデルマウス(senescence accelerated mouse, SAM)を使った実験です。このマウスは何もしなければ6週目くらいから死んでいきます。ガニアシを経口投与すると24週目まで生きていました。これは言わば延命です。僕らの身体にはアディポネクチンという若返りホルモンがあり、これが多い人ほど長生きだと考えられています。長生きしたマウスではどうなっているだろうと調べました。すると、死んでいったマウスのアディポネクチンがどんどん減っていくのに対し、ガニアシを投与していたマウスのアディポネクチンは増加していきました。

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