「医療を求めて海外へ行く時代。~医療観光先進国、韓国の事例に学ぶ~」 前編
2019.04.28
日韓関係の悪化が騒がれている昨今、韓国を訪問する日本人が増えている事をご存知だろうか。
韓国観光公社の統計によると、2016年以降韓国を訪れる日本人観光客数は年々増加傾向にある。これには、どうやら第三次韓流ブームが影響しているようだ。だが、それと同時に医療観光を目的として韓国を訪れている日本人も、2017年以降増加しているという点が非常に興味深い。整形大国と言われた韓国医療の現状は、果たしてどうなっているのだろうか。
《韓国の医療産業を先導するグローバル展示会“KIMES 2019”》
2019年3月14日〜17日、韓国ソウルにあるCOEXでKIMES 2019(Korea International Medical&Hospital Equipment Show:国際医療機器・病院設備展示会)が開催された。第35回を迎えた今年は“Meet The Future”をテーマに、未来の医療環境とサービスを中心とした第4次産業革命の時代にふさわしい、人工知能やロボット、ウェアラブル、ビッグデータ、3Dプリンティング等、多様な医療機器が展示された。政府や各種団体、医療業界の協力のもと、歴代最高の成果を上げたと言われている今回の展示会では、36カ国1403社が参加し、期間中には海外バイヤー4,143名を含む計73,732名が来場した。会場は初日から熱気に包まれ、その関心の高さが伺えた。
最新の医療機器から韓国の伝統医療まで、多種多様な展示がなされている会場は、とても一日では回りきれない。事前にどういった商品を見たいのか目星をつけておくのがおすすめである。実物を手に取りながら担当者の説明を受けられるだけでなく、商品によってはその場で購入可能なものもあるため、サンプルとして買って帰るドクターやバイヤーなども多いという。
また、会場内の一角には外国人患者誘致のためのブース“MEDICAL KOREA”も設けられていた。このMEDICAL KOREAとは、韓国の政府機関である文化体育観光部の傘下機関である『韓国観光公社』と、保健福祉部の傘下である『韓国保健産業振興院』(以下:KHIDI)が共同で運営している、いわば政府お墨付きの機関だ。国をあげて医療観光事業の振興に力を注いでいる様子が垣間見れた。
《外国人患者誘致制度の制定で増加する外国人患者》
韓国では、外国人患者を誘致しようとする病院や業者には一定の基準が定められている。2009年1月30日に改定された医療法によると、“外国人患者を誘致する医療機関と誘致業者は「国民健康保険」第109条による加入者や被扶養者ではない外国人患者を誘致する行為が認められている”とある。さらに2016年には「医療海外進出及び外国人患者誘致支援に関する法律」も制定され、外国人がクオリティの高い医療を安心して受けられるようになった。
しかし、誰でもすぐに外国人を誘致できるという訳ではない。
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