安全性の高い男性用経口避妊薬 米で研究が進む
2019.04.04
ピルや皮膚パッチ、避妊リング、IUD(子宮内避妊器具)、注射などの避妊法がある女性に比べて、手段の少ない男性の避妊。ホルモン剤による避妊法は確率されておらず、コンドームかパイプカットしか選択肢がないのが実状である。そんな中、アメリカでは男性用経口避妊薬(ピル)の開発が進められている。
◆従来の男性用ピルの問題点
従来の男性用ピルの研究では、“プロゲスチン”と“テストステロン”を併用するものが一般的だと考えられていた。しかしこの方法には問題点がある。
理論としては、プロゲスチンを投与することで、精子が精巣内で作られるのを抑制。その副作用として、テストステロンの値が低下してしまうので、経口でテストステロンを摂取する必要が出てくる。しかしテストステロンは経口では吸収率が悪く、最低でも1日2回の摂取を必要とするのだが、過剰摂取は肝臓に負担をかけたり、感情変動が起きたりといった副作用が起こってしまうのである。
2016年に、テストステロンを元にした避妊薬の実験では、複数の被験者から重大な副作用が確認され、早期中止を余儀なくされたのである。
◆副作用のほぼない避妊薬「DMAU」
男性用ピルの最先端の研究を行っているのが、ワシントン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校参加の研究所「LA BioMed」。2018年2月、同チームはDimethandrolone Undecanoate(DMAU)と呼ばれるピルの臨床実験の結果を発表した。
DMAUは、プロゲスチンとテストステロンと同じ受容体に作用することが発表されている。同薬は1日1回の摂取で問題がないため、深刻な副作用が出ることなく効果が得られると期待されている。実験後、被験者の体内では、テストステロン及び精子の精製に必要なホルモン2種類の値が低下した。低下したホルモンが精子の数を大幅に減らすのは3か月ほどかかり、治療を止めて1か月ほどで元に戻るのだという。
◆最新のピル「11-beta-MNTDC」
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