医療分野への応用が期待 謎の多い魚“ゾウギンザメ”

医療分野への応用が期待 謎の多い魚“ゾウギンザメ”

2019.03.19

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3月15日より池袋サンシャイン水族館にて、シーラカンスよりも進化速度が遅い脊椎動物“ゾウギンザメ”の展示が開始された。
このゾウギンザメ、DNA解析によりゲノムを他の脊椎動物のものと比較したところ、進化速度が既知の脊椎動物の中でも極めて遅いことが判明しているのだ。つまり4億年近く姿を変えていないとされる、“生きた化石”シーラカンスよりも進化が遅いことになるのである。
医学的知見からは、免疫細胞系の治療や骨粗しょう症の治療に役立つのではないかと、その研究に期待がされている。

【ゾウギンザメとは?】

和名:ゾウギンザメ (ギンザメ科ゾウギンザメ属)
英名:Ghost shark (その口の形からElephant sharkといわれることもある)
生息地域:太平洋南西 (南オーストラリアおよびニュージーランド)
体調:70㎝ほど。オスの方が小さい。(大きいものでは125㎝の記録がある。)

ゾウギンザメは南半球に生息している種類であり、日本では池袋サンシャイン水族館でのみ見ることが可能である。
特徴はその口先で、ゾウの鼻のように先へ伸びている。先端部分はロレンチーニ器官といわれる電気受容体が発達しており、ここで生き物が発する微弱な電流を感知することで、海底や砂の中にいる餌を探す(主な餌はエビやカニなどの甲殻類と貝類)。ゾウギンザメの名前の由来は、この特徴的な口元からつけられている。

背中には“とげ”があり、微弱な毒を有しているが、人が刺されても大事に至るほどではない。
性格は温和なので、自分から他の生物を攻撃することはほぼないという。

普段は水深200メートル付近に生息しているものの、春の繁殖のシーズンでは浅瀬の河口や沿岸の湾へと移動をする。角質に覆われた硬い卵を産み、その大きさは20㎝程度。孵化したばかりの稚魚は15㎝程の大きさだ。サンシャイン水族館では、今回メスが4個体展示されているが、今後はオスの個体も入手して繁殖をさせたいという。

オーストラリアでは、産卵シーズンになって浅瀬に来たゾウギンザメを食用として捕獲する。現地では高級食材ではなく、フィッシュアンドチップスとして食べるのが、一番人気。味は白身魚に似ているらしい。

【医療分野への応用】

2014年、ワシントン大学医学部の研究チームが発表した論文によると、ゾウギンザメの遺伝情報量は極めて少なく、人間の3分の1にも満たないことが判明した。

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