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科目不問!すべての医師に来てほしい、第107回日本美容外科学会 ~副学会長・田中亜希子先生インタビュー~
2019.01.29
第107回日本美容外科学会が、4月17日(水)・18日(木)に港区赤坂にあるANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催される。
「美容外科とは何か」、「美容外科の社会に対する役割は何か」を、医師の皆様と深く考える絶好の機会とするべく、今回は、本学会の副学会長でもあるあきこクリニック院長の田中亜希子先生にお話を伺ってきた。
美容外科学会副会長のお話が回ってきたときのお気持ちは?
昨年の第106回美容外科学会でも副会長の役を任されておりました。光栄なことに、今回の学会長である久次米先生から、引き続きお願いしたいとお話をいただきました。今回の私の役割は、今まで学会に参加したことのないような女性医師の集客を担うものだと感じています。 本学会は、美容外科の先生方には広くご参加いただいているのですが、美容皮膚科の先生の中には知らないという方もいらっしゃいます。
久次米先生をはじめ、私自身も今回の学会では、女性医師によるプログラムに力を入れて企画いたしました。今まで参加されなかった医師の方々に楽しんでもらえるように、副会長として精一杯努力したいと思っております。
女性目線で注目のプログラムは?
昨年、東京医大の問題がありましたが、私たちは女性が減点されるのが当たり前の時代に医師になりました。だからこそ、医師になれた自分に自信を持っていたし、その分辛いことだってありました。これからは、そういう時代であってはいけないと思います。
今回のシンポジウムでは、女性医師が後進に伝えたいことを熱く語るプログラムがあります。女性医師のキャリアの話を、自身の経験談をもとに皆様へお伝えする予定です。この機会に、女性医師のキャリア形成について、皆様と一緒に考えたいと思っております。
また、私が座長をするプログラムは、美容外科の女医として活躍している方々に、自分の得意な手術について語っていただく内容です。その際、必ず女性としての目線で気を付けていることを加えて、お話させていただきます。
いずれもパワフルな女性医師によるプログラムとなりますので、ぜひご参加いただきたいと考えております。
あきこクリニックはスタッフ仲がすごく良いイメージです。スタッフのマネジメントに気を付けることは?
私のクリニックは離職率が低く、職員の募集をしたこともほとんどないんです。
スタッフを「あきクリファミリー」と呼んでいるのですが、本当の家族のように接しています。私自身、スタッフには隠し事をしないように努めています。だから彼女たちは、私のことで知らないことは何もないんじゃないかな?主人の知らないようなことも知ってます。(笑)
また、日頃から不満をちゃんと言えるような環境作りを心掛けています。なんとなく不満がありそうだなと思ったら、すぐに個別で話を聞いたりとか。女性医師の方が、そういう点はうまいと思います。
それは患者様に対しても同じです。患者様が要望を言いやすい雰囲気作りをすることで、術後のイメージ作りも円滑に進み、治療にご満足いただくことができます。
美容医療業界全体に対して、田中先生が思うところはありますか?
美容医療のマーケットは2,000億円規模と言われています。これは10年前とほとんど変わらない数字です。この10年で美容医療の認知度は上がり、普及もしているのに、なぜ市場規模が変わらないのか。それは、美容医療を受ける患者数は増えているものの、ヘビーな手術を受ける人が減り、ライトな施術が増え、かつ価格競争が進んでいることが原因となっています。今の美容医療業界は、少ないパイを奪い合っているのが現状です。
それは誰にとってもよくないことです。大切なのは、多くの人が、適正な価格で安全な施術を受けることです。
そのためにも医師同士、クリニック同士の横の繋がりを大事にする必要があると思います。
田中先生自身、クリニック同士の繋がりを強めるために意識して行っていることはありますか?
私は他のクリニックへの紹介状を、積極的に書くようにしています。
そもそも私自身は、オールマイティに治療ができる医師でありたいと思っています。最初は、目なら目、鼻なら鼻に特化するべきというアドバイスをよく頂いておりました。でも目はここのクリニック、鼻はここ、肌はここって、いちいちクリニックを変えるのは面倒ですよね?内科や小児科にはかかりつけ医がいるのに、なぜ美容にはそれがいないの?って。だったら私がかかりつけ医になってやろうと思ったんです。だけどもちろん私にだって苦手な治療はあるし、私よりも得意な医師を知っています。
だから私は、そういった治療は積極的に他のクリニックの紹介状を書くようにしているのです。
そこで紹介した患者さんは、みんなとても喜んでくれます。そしてまた、違う治療をするときは帰ってきてくれるんです。そうやってみんなで協力し合いながら仲良くやっていきたいです。情報を隠したりするのではなく、マーケット全体の拡大を目指していきたいです。
美容外科学会に参加したことのない他科目の医師、これから自費をどんどん導入しよう、とお考えの医師にメッセージはありますか。
他科目の先生で、保険だけで食べていくのは大変!という方も多いと思います。私たちは情報を隠すつもりは全くありません。科目に関わらず、多くの方がきちんと学ぶことのできる場を提供したいと考えております。
大切なのは、正しい医療を行って、事故を起こさないことです。久次米先生もおっしゃっていましたが、一度事故が起きてしまえば、美容業界のイメージはさらにダーティーなものになってしまいます。
特に、この業界は訴訟が多いと思われています。しかし私は20年この業界でやっていて、1度も訴訟になったことはありません。もちろんどの科目にも共通することですが、患者様に真摯に向き合って、もしこちらに非があったならば、それを認めてリカバリーすれば、そういうことは起きません。
また、ダーティーなイメージが付きまとう美容業界ですが、もちろん暗い話題ばかりというわけではありません。先日私が出席したセミナーで、カナダのヒアルロン酸注入の権威でもある、アーサー・スウィフト博士が、とても素晴らしいことをおっしゃっておられました。「高齢の方や、余命宣告された方など、私はどのような患者に対しても、望まれれば治療を行うことにしている。それは患者のQOLを上げるためだ。綺麗な顔で最期の時を迎えたいと患者が望んでいるのならばそれをかなえてあげるべきだ」と。
私自身、他院で手術を断られたという患者様が当院にお見えになられても、お断りすることはほとんどありません。なぜなら患者様がハッピーになることが私の望みだからです。そういった方々に美容医療を提供するプライドを持っています。美容医療とはそうした患者様の心に寄り添うことのできる、素晴らしいものなのです。ぜひ、他科目の先生方にも携わっていただきたいと思います。
これから自費診療に乗り出そうと考えている皆様には、ぜひ正しい知識を身に着けて、きちんとした治療を行っていただきたいと考えております。そのための勉強の場、情報交換の場として、当学会にご参加いただければと強く願っております。
【プログラム詳細】 http://jsas107.tokyo/program.html 【お申込み方法】 http://jsas107.tokyo/registration.php
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