ドクターの手作り品を世に広める(2)【連載:薬事の虎 for 自費研】
2021.08.11
前回の説明で、(1)ドクターは許可なく自分で作ったものを治療に使える、(2)その物の効能を治療に際しうたっても薬事法に違反することはない、ということが分かったかと思います。
ただ、この手作り品を世に広めるには、現状、ウェブマーケティングが欠かせません。それを規制するのが2018年に改訂された「医療広告ガイドライン」です。今回はこれについて説明します。
2018年改訂の背景
クリニックのHPは市民に医療情報を伝える役割を果たしているとして、昔から「非広告」扱いです。物販会社のHPとは扱いが違うということです。
それゆえ通常の医療広告とは違う規制が行われてきましたが、これが悪用されるようになってきました。つまり、HPを隠れみのにして、過激なビフォーアフターや体験談を載せる事例が増えてきたのです。
そこで、クリニックのHPは「非広告」だけど、「広告」と同じ規制を被せる、という事になりました。これが2018年の改訂です。
改訂ルールの重要な例外
その結果、ビフォーアフターをHPに載せることができなくなりましたが、これには重要な例外が認められることになりました。それが「限定解除」という例外です。「限定解除」の要件を満たせば、規制が解除されるのです。
結局、現在の規制は――
(1) HPの記載も原則大きく制限される
(2) しかし、「限定解除」の要件をみたせば、記載OKとなる
という2段構造です。 先に(2)から説明しましょう。
限定解除の対象
主なものは下記の8個です。
2. 総合診療科など広告不可の診療科名称
3. 未承認医薬品・医療機器を用いた治療(健康食品・再生医療も含む)
4. 既承認医薬品・医療機器の販売名(登録名)
5. 治療効果
6. ビフォーアフター
7. 履歴としての研修医
8. 肩書としての認定医・専門医・産業医
診療メニューに関して言うと――
ⅱ. しかし限定解除を行うと、自由診療も広告可
限定解除のパターン1-1
限定解除のパターンは (1)診療に関するもの、と(2)それ以外のもの、に分けることができます。
また、(1)は、(A)施術オンリーと、(B)医薬品等を使うものに分けることができます。
まず、(1)(A)を説明します(例えば、脂肪吸引)。
この場合には、下記4点、記載の必要があります。
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