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【再生医療導入特集】これがなければ始まらない! ”特定細胞加工物”って?
2020.11.06
クリニックで扱う治療を決めたら、「再生医療等提供計画書」の提出準備を始めましょう。提供計画の様式には、治療に使われる細胞の入手方法や、特定細胞加工物の製造方法などについての細かな記載や関連書類の添付が必要です。スケジュールに余裕をもって進めるといいでしょう。
特定細胞加工物製造の外部委託が可能に
再生医療等安全性確保法(新法)の施行により、臨床用の細胞を扱う細胞培養加工施設(CPC)に対して様々な基準が設けられました。ルールが定まったことにより、これまでは医療機関のみに限られていた細胞加工の外部委託が可能となったのです。
CPCってどんなところ?
「細胞加工を自分で行うのは難しそう…」「どこに頼めばいいのかわからない…」そう考える医師は多いのではないでしょうか。特定細胞加工物の製造受託サービスを提供する企業の取り組みについてお話を伺いました。
富士ソフト・ティッシュエンジニアリング 取締役 館山俊晶 氏
弊社は新法の施行以前から再生医療等製品の開発を行いながら、企業としてできることを考え続けてきました。再生医療を必要とする患者様に、適正な価格で治療を提供するためには、臨床研究の加速は必須です。こうした考えから、2015年5月に特定細胞加工物製造許可を取得し、細胞加工の受託サービスの提供を開始させました。
この5年間で、市場の急速な拡大を感じています。サービス提供開始当初は、美容外科クリニック様からのご依頼が多かったのですが、最近では整形外科クリニック様からのご相談件数も増えています。法律で定められた手順どおりに進めていただければ、クリニック内での細胞加工は可能です。しかし、CPC建設などにかかる初期費用や維持費の問題、細胞加工を担当する人員確保の問題、導入前後の法規対応の問題など、忙しいクリニックですべてを行うのは、なかなかご負担が大きいのではないでしょうか。
患者様に投与される特定細胞加工物は非常にデリケートなので、不安なく提供できるものであることが原理原則。CPCの施設基準を満たすことは、あくまで”最低限”必要なことであり、品質管理のためには、「その作業手順で本当に製造可能なのか」「問題発生時に原因究明を行える体制が整っているか」といったことが重要です。
患者様が治療による不利益を被ることがないように、弊社では教育訓練を受けた専任の培養技術者が細胞加工を行い、無菌試験なども徹底しています。ご依頼の多い多血小板血漿(PRP)や脂肪幹細胞の培養などは、論文などのエビデンスをもとにプロトコルを準備しており、製造方法はある程度確立されたものとなりました。様々な診療科や疾患に対応できるように、今後も技術を磨いていきます。
再生医療の導入検討時に特にご理解いただきたいのは、リスクや法律についてです。稀に「周りの医師たちが始めているから…」とご依頼いただくことがあるのですが、万が一トラブルが発生した場合には、先生ご自身が責任を負わなければなりません。年間の定期報告を含めた法規サポートサービスもご用意していますので、不安なことはすべてご相談ください。しっかりとご説明させていただきます。先生方が臨床によるエビデンスを作ってくださることで、再生医療の可能性は広がるはずです。そのためのお手伝いをさせていただければと思っています。
院内にCPCを持ちたい場合はどうする?
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