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【開業医のコロナ対策 歯科医師・村津大地先生】歯科医院は、感染をどうとめるのか
2020.04.16
厚生労働省が緊急性の低い治療に対し延期の検討を求めるなど、歯科治療の立ち位置について考えなければならない局面にきています。むらつ歯科クリニック理事長の村津大地先生に、スタッフ体制やコロナウイルス感染予防対策についてお話しを伺いました。
スタッフの健康を守ることが患者を守ることに繋がる
———新型コロナウイルス感染拡大を受け、新たに始めた取り組みについてお聞かせください。
緊急事態宣言をうけ、当院は翌日から自粛営業に切り替えています。治療環境が過密にならないよう、患者さんの来院をセーブし、急患対応中心にシフトしました。ユニット台数が多いので、間隔をあけての治療はむずかしくありませんでした。
スタッフの出勤も1/4程度に抑えています。出勤か自宅待機かで給与に差がでると皆が出勤を選択してしまうので、自宅待機のスタッフにも休業手当として全額支給を行い、積極的に休みをとらせています。出勤スタッフにはリスクも加味し、1日2000円の手当をつけています。緊急事態宣言の効力は5月6日までですが、それまでに今の状況が落ち着くとは考えづらいので、短くとも6月まではこの体制でいこうと思っています。スタッフを40名ほどかかえているため、正直なところ長期化すればそれだけ経営は厳しいです。しかし、スタッフの生活と健康を守ることこそ経営者がすべきことで、その結果が患者さんへの感染を防ぐことにも繋がると考えています。自宅待機組含め全員に朝、夕の検温を徹底させ、自身の体調を把握しておくよう指導しています。
また、患者さんをできるだけ早くお帰しできるよう、ベテランスタッフにより多く診療を振り分けています。教育できるほどゆっくりできる状況ではないですからね。みんなで力を合わせて乗り切りたいと考えているので、連絡のやり取りはスタッフ主体にし、相談しながら必要人数を割り当てています。
———医療物資の不足が報道されています。影響はありましたか?
マスクやペーパータオルなどの医療物資が入手困難となっていますが、当院では普段から備蓄をしており、少しの節約程度で回せています。マスクも一時期に比べると手に入りやすくなりましたが、問題はグローブです。感染症対策の観点からも、平常時からも節約できないものです。入手できず、手作りなどで代替できないものなので、今後診療に支障をきたす歯科医院は増えると思われます。
いつもどおり、より丁寧に。スタンダードプリコーションの徹底
———感染リスクが高いと考えられている歯科治療。どのような対策をされていますか?
コロナウイルス拡大以前からの取り組みですが、スタンダードプリコーションを徹底しています。歯科医院特有の感染経路は主に3つ、①治療中のエアロゾル発生による飛沫感染、②治療後の周囲汚染とその清拭による接触感染、③治療機材(ピンセット等)の片づけや運搬に伴う接触感染です。
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