
美容歯科で重視するべきこととは?正確な顎機能診断に基づく審査診断
2021.07.30
昨今、“美容歯科”に注目が集まっており、実際に施術を行う先生が増えてきています。
今回、医療法人社団登龍会 代々木デンタルクリニック院長 服部敏先生に美容歯科の患者ニーズや、市場の展開についてお話を伺いました。一般社団法人顎顔面美容医療協会 理事でもある服部先生は、同協会が主催するセミナー「美容塾」で、美容歯科における顎機能診断の重要性を伝えています。
――美容歯科とはどのようなジャンルでしょうか。審美歯科との違いについて教えてください。
審美歯科は、歯の形態など、口腔内を対象とした歯科治療です。
対して、美容歯科の場合には、スマイルプロポーションなど、口腔咀嚼筋の支配部位に関わる筋肉や皮膚などを対象とした再生医療とも言えます。歯や筋肉、皮膚など包括的な治療であると考えます。“再生医療”というキーワードには、咬合不全や咬合不安定の結果、咀嚼筋の異常に起因した“しわ”や“たるみ”が、理想的な咬合へ戻すことで、改善につながることを意味します。
――歯科領域で行うメリットについてどのようにお考えになりますか。
“美容“というワードから、小顔など美容施術のイメージが先行しているかもしれません。医科との違いは、顎機能診断をベースとした診断結果に基づく歯科治療であることです。
顎機能診断では、顎関節の左右差、咬筋の肥大の形態や、筋肉の増殖形態を評価します。美容歯科は、触診や、パノラマ画像、咬筋の圧痛試験などを行うことで、歯科病名を明確に診断し、処置を行うことが基本です。ボツリヌス菌を活用した注入治療を例にすると、咀嚼筋の過剰な肥大や、過緊張に対し筋の運動をコントロールすることを目的にしています。適切な量や濃度を注入し咬合力のコントロールに基づいた治療へとつながるのです。
診断に基づかない“他の先生も使っているから・・”といった安易な選択は危険だと考えます。
――患者様からのニーズの変化はいかがでしょうか。
年々増加していると感じています。美容医療へは費用面や手術などを想定し、踏み切れない方も多いのではないでしょうか。歯科医院であれば、3か月に一度のメンテナンスの際にかかりつけ歯科医に相談し、治療を受けられるという利点があります。こうした側面も、トライしやすい要因の1つかもしれません。もちろん、エステ等とは異なり、医療として行えるので安心感もあります。
治療費の点からも、医科での美容施術に比べると良心的な価格設定されているのではないでしょうか。例えば、肌荒れを繰り返し、毎回多額の費用をかけて美容皮膚科で治療するよりも、実は口腔内をメタルフリーにすることで根本的な治癒につながった例もあります。全身の健康に寄与できるため、患者様の満足度にもつながります。
――市場・ジャンルが盛り上がることで差別化にも繋がると考えますが、デメリットはどのようなことが考えられますか。
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