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皮膚の健康を追求することが、美しい肌の近道  ~免疫臓器に魅了されて~

皮膚の健康を追求することが、美しい肌の近道  ~免疫臓器に魅了されて~

2022.08.01

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近年、美容医療への需要が増す中で、やはりシミ・シワ・たるみなどの美肌治療が上位を占めています。しかしそんな中でニキビやニキビ跡、アトピー性皮膚炎など肌の悩みを抱えている方も多く、より専門性が必要な難しい肌治療といえます。
今回は、肌質治療のスペシャリストである野本真由美先生に「内から美容」のお話をじっくりとお聞きしてみようと思います。

「自分」と「自分じゃない」ところの線引きはどこから?
その答えが「免疫」にありました。

ーー初めに、先生が美容医療を目指されたきっかけや経緯などをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

私が医師になったきっかけは、口に入れた食べ物が、どこから自分になり、どこから自分じゃなくなるのかということを高校生の時に考えていて、これを「免疫」と呼ぶことを知ったからです。免疫を学びたいという思いで医学部へ進み、その中でも最大の免疫臓器である皮膚科を専門にしました。
新潟大学ではアトピー性皮膚炎の専門外来や、香粧品による接触皮膚炎の原因を成分ごとに精査する仕事を8年間していました。その仕事を通じて、化粧品のレシピが書けるようになっていきました。
ある日、アトピー性皮膚炎の専門外来をしていた時に、顔から浸出液が出るほど炎症の強い女性が受診して、「私もいつかお化粧できる日が来ますか?」と聞かれました。「いつかではなくて、作ります」とお約束してレシピを書いたのが「ビューティフルスキン」のミネラルファンデーションです。文字通り、彼女の肌がビューティフルなスキンになるために、という思いのレシピです。そこから自然と「顔にトラブルが起きたら、野本の外来へ」と言われるようになっていきました(笑)。

ーーそうだったんですね。美容医療に対して先生は一般的な美容ドクターと違うように感じます。

自分自身は美容音痴というか、パックやアイクリームも未だに使ったことがありません。興味があるとすれば、塗った人と塗らない人の10年後のデータをどうやったら論文できるかということのほうです(笑)。自分が使用して良かったという理由では、患者さんに治療を勧めることもないです。肌質は人によって違うので、常に「個別化した医療」を提供していきたいと思っています。皮膚を美しくするためには、炎症が生じにくい肌、つまり刺激を感じにくく、にきびが落ち着いていて、赤みが少ない、シミが少ないなど、「疾患レスな肌」にすることが何よりも大切だと思います。不安定な肌に治療をしても、効果がでにくいだけでなく、副作用が起こりやすくなるので、常に「どんな肌に美容治療をしているのか」という視点を持つように心がけています。

皮膚は内から外に向かうベクトルを持っている。
からだの内側から整える根本解決への糸口が東洋医学。

ーー野本先生と言えば漢方薬のことを語る場面も多いかと思いますが、漢方薬と美肌の関係性はどんなものなのかお聞かせください。

レーザーを打っても効果が弱い時に、もうひとつのレーザーを組み合わせてよくしようとするのは西洋医学的な考え方です。一方、その人にちょうどいいところまで引いた治療でパフォーマンスをもっと出せないかと考える東洋医学的な考え方もあります。どちらがいいのかではなく、良いところをともに取り入れればよいと思っています。私自身は問題が解決しないときに、どうして肌が治療に反応しないのか、内外から考える習慣があります。外からのアプローチだけでは良くならなかったら、からだの内側からその原因を探ります。東洋医学では2000年前からそのバランスの大切さを伝えています。内からのアプローチの大きな柱は食習慣。食べたものを人のレギュラーガソリンだとすれば、それを1ランク上げてハイオクにするのが漢方薬の役目でしょうか。

ーー「内から美容」というお考えもとても興味深い野本先生のワードですよね。是非お話をお聞きしたいと思います。

皮膚は内から外に向かうベクトルを持った臓器です。内とは一体どこからなのかと追及すると、最後は胃腸までたどり着きます。必要な栄養を皮膚まで届けるために、まず胃腸機能が弱い人には漢方薬を使って食べたものがきちんと吸収できる体にします。次に吸収された栄養素が十分な血流にのって皮膚まで届いていない場合は、血流を改善する漢方薬を使います。また皮膚に微小炎症が起こりにくくなる漢方薬、皮膚の老廃物がリンパ管で運ばれやすくなる漢方薬を選ぶこともあります。いずれも、西洋医学のアプローチだけでは不可能な領域だと思います。
こういったことをある学会で「漢方とアンチエイジング」というテーマで講演させていただいたとき、学会の理事だった若松信吾先生(東京女子医大の名誉教授)が、「この内容は後世に残すべきだよ」と言ってくださり、学会から『美容皮膚科で生きる漢方』という本を出版していただきました。この本は、私の話した音源を文字起こしして若松先生がすべて編集してくださった本です。とても感謝しています。

疾患のない肌は、どんな治療も成功しやすくなる。
どんな肌なの?から始まる“ハーモナイズ治療”。

ーー実際、先生のクリニックに来院される患者さんは、どのような悩みをお持ちなのでしょうか?

肌質クリニックとして、肌質を良くしたい人や、疾患が治りにくい人が、内外トータルでアドバイスを希望されて受診されています。肌の状態を画像で解析するほか、内科的な血液検査で栄養状態、腸の炎症の状態、また骨や筋肉の状態まで、木だけを見ず森をみる治療を心がけています。同時に冷え性や生理痛、更年期、目眩、頭痛、肩こりなど、漢方専門医として皮膚以外のご相談も同時に受けています。

ーーそれがまさに“ハーモナイズ治療”に繋がっている訳ですね。どのような治療なのか教えていただけますか。

東洋医学の学問体系は、1+1=2ではなくて3とか4にもっていけるものです。それを美容皮膚科に置き換えて、内から外から多角的に肌を良い状態にして治療の相乗効果を狙うこと、それがハーモナイズ治療です。スキンケア指導、メイク指導、外用療法、内服療法で疾患の少ない肌を作ってから施術を始めると、高い治療効果が得られます。

ーーありがとうございます。最後に今後野本先生が取り組みたい治療や、ご予定などをお聞かせ頂いてもよろしいですか?

今、取り組んでいるのは臨床研究です。現在、4つの研究が同時に進んでいます。美容医療にはまだまだエビデンスが足りないので、微力ですが続けていきたい仕事のひとつです。100年後の医師に残せる仕事ができるといいなと思います。
治療では、IPLやHIFUのような人気の美容治療を用いて、治療の層(Z軸)を大切にしながら「疾患レスな肌」をつくる照射方法をたくさん見つけていくことを楽しんでいます。


『皮膚は会話する臓器。触覚や色、光も感知できるし、皮膚を良くすると脳にも良い影響があります。』とおっしゃっていた野本先生。何より先生が良しとする基準が、科学的根拠に基づいているもので、先生の治療へのポテンシャルは計り知れません。その根底には、本当に免疫が好きという軸があってこそなのだと思いました。

肌治療への需要が続く中、これからも美肌治療のスペシャリストの先生方からお話を伺い、様々な切り口で治療の情報を皆様にお伝えしたいと思います。

MAYUMI NOMOTO
野本真由美スキンケアクリニック 総院長
野本真由美先生

●ご経歴
1998年4月 新潟大学医学部付属病院皮膚科勤務
2006年4月 予防医学を学ぶため、米国(ハワイ州)留学
2007年6月 野本真由美スキンケアクリニック開院(新潟市)
2018年4月 野本真由美クリニック銀座開院(東京都中央区)

●ご紹介
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
日本東洋医学会認定 漢方専門医
日本抗加齢医学会専門医
薬学博士
日本抗加齢美容医療学会理事
新潟美容・アンチエイジング研究会会長

[所属学会]
日本皮膚科学会/日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会/日本美容皮膚科学会/日本香粧品学会/日本東洋医学会/日本抗加齢医学会
[その他]
新潟美容・アンチエイジング研究会会頭/見た目のアンチエイジング研究会

 


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