睡眠時の整った呼吸環境が 日常的な目覚めの質を向上させる
2017.11.21
睡眠に関する症状(不眠症、過眠症など)に特化した治療を行っているのが睡眠外来である。
睡眠障害は、他の身体疾患との相関を想定できるため、医療機関によっては、体全体を診る包括的な診断・治療を目指し、他の診療科(呼吸器科、神経内科、耳鼻咽喉科、精神科、歯科など)を具備した専門施設も存在している。
主な疾患としては、いびきが関連している「睡眠時無呼吸症候群」、「レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)」「レム睡眠行動障害」などがあげられる。今回は、この中で「睡眠時無呼吸症候群」を取り上げていく。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
代表的な疾患としてあげられる睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、治療が必要な重症度の潜在患者数で300万人以上と推計されている。男性では40~50歳代が半数を占める一方で女性では閉経後に増加傾向がみられ、男性と同程度までSASになりやすくなる。
成人男性の約3~7%、女性の約2~5%が罹患対象となり、男女差が発生する理由の一つは体型の違いといわれている。男性は、女性と比べて上半身に脂肪がつきやすく、顎や咽喉へ脂肪が蓄積しやすい傾向があるため、下半身に脂肪がつきやすい女性よりも発症率が高いといわれる。
空気の通り道となる上気道が閉塞することによって眠っている間に呼吸が止まる、あるいは低呼吸になるSASでは、体内に十分な酸素量が取り込めず、多くの臓器に影響を与える結果をもたらす。首回りの脂肪の沈着が多い場合、上気道が狭くなりやすく、肥満が要因となり、扁桃・舌が大きい、鼻炎・鼻中隔彎曲などの鼻の病気が要因となるケースなどと合わせて顎が未発達で小さいという肥満以外の要因でもSASの可能性が起こり得ることに注意が必要。
主な症状としては、いびき、夜間頻尿、起床時の頭痛、日中の環境を問わずに発生する眠気などが日常生活に支障をきたすため、慢性的に疲労感を抱え、さまざまな悪影響をもたらす。
さらに自覚症状がなく、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)を合併しているケースも多くみられるとともに、突然心筋梗塞・狭心症・心不全・脳卒中などを引き起こす発症リスクも高まるため、軽視できない。
SASの定義
一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上、または睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上、発生する状態。問診後、SASが疑われる場合には、携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)によって睡眠中の呼吸状態の評価を実施。
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