健康寿命延伸のカギ?いまさら聞けないテロメア
2020.07.27
細胞の老化やがん化に関わるなどとして、注目されるテロメア。その研究の歴史についておさらいしておこう。
テロメア研究のはじまり
1930年代初頭、ハーマン・J・ミラーとバーバラ・マクリントックにより報告されたテロメア。ギリシア語で「テロ」は「末端」を、「メア」は「部分」を意味し、その名のとおり染色体の末端部にある構造のことを言う。彼らはこのテロメアが、「染色体の末端同士の融合を防ぐ」役割があるとしたが、当時はその細かな機能まではわかっていなかった。
テロメアには染色体保護の役割のみならず、線状染色体の末端の完全複製というもうひとつの重要な役割も果たしている。DNAの複製メカニズムが明らかにされていくなかで、ある問題が指摘されるようになる。DNAの複製には足場となる核酸の断片(RNAプライマー)が必要となるが、複製後に分解されてしまうため、新生の染色体はプライマー分だけ短くなることになる。複製の度に短くなるのであれば、いずれは染色体そのものが消失することになるが、実際にはそうなっていないという矛盾があったのだ。
ブラックバーンの発見
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