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真の悪玉コレステロールに要注意!α-シクロデキストリンの効果とは?
2020.06.15
自費研読者の中には、毎年健康診断を受診し、自身の生活を見直す健康の成績簿として、あるいは受診者の健康管理についてアドバイスをされる立場の方々が多いのではないだろうか。一般的な健康診断では、LDL-コレステロール(LDL-C)が高い状態が続くと、冠動脈疾患(CHD)などの動脈硬化リスクが高まることから、LDL-Cは重要なリスクマーカーとして広く認知されている。しかし真のリスクマーカーとして年々注目が高まっている「小型LDL」についてはあまり知られてはいないのが現状である。今回は、話題の「小型LDL」の正体とそのリスクを回避する“α-オリゴ糖(α-cyclodextrin)”について焦点をあてて解説をする。
(文・寺尾啓二)
話題の「小型LDL」って一体何?
小型LDLとはLDL粒子の中でサイズが小さなものを言うが,CHD 患者の中にLDL-C が正常域でも小型LDL が多い人がいることが発見されてから,小型LDL は真のリスクマーカーとして年々その注目度が高まっている。
LDL-C 値は血中のLDL 粒子に含まれているコレステロール量を数値化したものであるが,健康上の悪はコレステロールそのものではなく,LDL 粒子が血管内皮下に侵入し,酸化することである。LDL 粒子はコレステロールの他にリポタンパク,中性脂肪などで構成されているが,粒子サイズは大小様々であり,血管内皮下への侵入しやすさや酸化LDL になりやすさが異なっている。サイズがより小さなLDL 粒子(小型LDL )は大型LDL と比べて,LDL 受容体との親和性が低いために血中滞在時間が長いこと,サイズが小さいため血管内皮下に侵入しやすいこと,抗酸化物質が乏しいために酸化LDL になりやすいことが明らかにされており,そのため,小型LDL は強い動脈硬化惹起性を持つ。
図1. 小型LDLの動脈硬化促進メカニズム
小型LDL について、学術やインターネットを通じて情報が公開、検査キットの販売がされているにも関わらず、脂質異常症の診断基準では、小型LDL 値が用いられておらず、検査が可能な施設も国内で30か所程度(2020年5月22日現在)にとどまっており、まだまだ認知が低いのが現状である。
なお,小型LDL という名称については,他にも小粒子LDL,small LDL(sLDL),small dense LDL(sdLDL),small, dense LDL などがあるが国内では、小型LDLや超悪玉コレステロールとして一般的に紹介されている。
小型LDLを減らすには?
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