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世界で進む医療用大麻解禁の波 いまさら聞けないカンナビノイドとCBD
2020.04.08
“大麻”というと違法薬物のイメージを持つ方も多いだろう。
しかし、医療の分野では“大麻”を使用した治療研究が進められており、世界では医療用大麻解禁の動きが進んでいる。米国はいち早く医療の現場に大麻を用いて、疼痛緩和などの治療に役立てている。また、タイでは2018年に、東南アジアでは初となる、医療や研究目的での大麻使用を合法化した。医療大麻を扱うクリニックが各地で開設されると、大麻を求めて患者が殺到したという。
日本でも医療用大麻の解禁を望む声は多いものの、多くの障壁があり解禁には至っていない。しかしその効果の高さは世界各国で証明がされており、日本でも導入を望む声は多くあがっている。
カンナビノイドやCBDといった言葉を聞いたことのある医師も多いのではないだろうか。大麻から取れる有効成分を指すこの言葉だが、今、医療現場では注目が集まっているのである。
注目のカンナビノイド 主要成分“CBD”と“THC”
カンナビノイドとは、アサ(大麻草)に含まれる成分の総称である。現在発見されているカンナビノイドは100種類以上あり、それぞれが異なる作用を持つ。その中でもTHC(テトラヒドロカンナビノール)、CBD(カンナビジオール)は主要成分といわれている。
【THC(テトラヒドロノール)】
THCには覚醒作用や依存性があることから、日本国内ではその成分を含んだ製品の輸入・製造・販売は禁止されている。また、花穂と葉から製造された製品についても禁止されているため、国内では茎や種子から製造された製品のみが認められている。
【CBD(カンナビジオール)】
CBDにはマイナスに働く覚醒作用や依存性はなく、不眠改善や疼痛・炎症の抑制効果、さらにはてんかん等の発作を和らげる効果があるとされている。CBDは法律で規制されていないため、国内で販売・提供されているカンナビノイド製品や薬剤はこのCBDが主成分となっているのである。
カンナビノイドの臨床応用
カンナビノイドについて、医療分野で最も効果が期待されているのが、てんかん薬への応用だ。『Epidiolex』(英国・GWファーマーシューティカルズ)は大麻由来の医薬品としては初めて、米国FDAでの認可を受けた。これによって今まで治療法の無かった難治てんかん治療に光が差したのである。日本でも同薬を承認薬と認めるために、日本臨床カンナビノイド学会や秋野公造参議院議員をはじめとした多くの専門家たちが働きかけを行っている。
また、WHO(世界保健機関)は、CBDに関して危険性の見直しを行い、乱用性または依存性がなく麻薬物質に該当しないと、その安全性を各国に勧告している。大麻がタバコやアルコールよりも中毒性が低いと正式に声明を出したのは、カンナビノイドの臨床応用にとっては大きな意味があった。
様々な種類のCBD製品
世界では数多くのCBD製品が販売されている。今や、医療の現場で使われるものから、化粧品や食品、ペットなどの動物用製品までもが展開される一大産業へと成長を遂げた。
日本で販売されているCBDも、その成分・剤形・服用方法など、さまざまな形態で提供がされている。
【成分】
・アイソレート
大麻草からCBD成分のみを抽出した精製方法。
・フルスペクトラム
大麻草の全草成分が含まれる精製方法。THCが含まれてしまうため、日本では禁止がされている。
・ブロードスペクトラム
フルスペクトラムほどではないものの、いくつかのカンナビノイド成分が含まれる精製方法。THC成分が含まれていなければ、日本でも販売が可能である。
【剤形・服用方法】
CBDは、オイル、カプセル、クリーム、リポソーム…等、様々な形態へと加工が可能なため、目的応じて製品化がされている。
また、剤形に合わせて服用方法も異なり、舌下投与から、吸引、嚥下、皮膚への塗布など様々である。
体の不調をコントロールする『エンド・カンナビノイド・システム(ECS)』とは?
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