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治療の質を担保するために導入する顕微鏡(マイクロスコープ)歯科治療 三橋純先生
2020.03.05
近年、急速に普及しはじめた歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)。
顕微鏡をどのように治療に活用するのか、顕微鏡歯科治療の第一人者である日本顕微鏡歯科学会会長の三橋純先生にお話を伺った。
———歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用する利点は何でしょうか。
(三橋先生) 顕微鏡(マイクロスコープ)を使った治療の特徴は、肉眼では見えないものを3倍から20倍程度に拡大して見えるようにしながら治療できることです。
肉眼では見落とされていたう蝕を見つけて早期に管理することが可能になったり、根管治療で見つけられなかった根管を見つけて治療することができたり、歯肉縁下深くに存在していた歯石を観察しながら除石できたり…不可能だと思われていた治療が可能になったのです。
歯科治療というのは、内科のように血液検査をして投薬する、というものではありません。実際に目で見て判断することがほとんどですので、その情報量が増えるということは、自ずと診断も変わり、技術も飛躍的に向上します。
また、顕微鏡の最大の特徴は録画機能(ドキュメンテーション)です。これにより歯科医師が見ている治療の様子を患者と共有できるようになりました。どこに問題があってどのように治療したのかを明確に説明して、適切な治療を行ったことを証明することで、治療の質を担保することが可能になったのです。
———「顕微鏡を使うと、治療が長期化してしまう」という話を聞いたことがあるのですが、いかがでしょうか。
(三橋先生) もちろん顕微鏡を使えば、肉眼で見えないような小さな病変や不具合が確認できるので、「やらなければならないことが増える」ということにはなるでしょう。しかし同じレベルの治療をしているわけではないので、治療にかかる時間が異なるのは当然なのです。
治すべき箇所を適切に治療しているのですから、患者にとって負担が増えていることにはなりません。より高いレベルを目指しているからこそ、そこに時間がかかってしまうのは仕方のないことです。逆に、今まで原因不明だった症状の原因が、顕微鏡を使ったことで明らかになり、無駄な時間を使わずに治療が早く終わる場合もありますので、治療期間が長くなることを恐れずに導入するべきだと思います。
———顕微鏡と相性の良い治療を教えてください。
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