
『ゲノム健診で行うオーダーメイドな予防医療』先端予防メディカルセンター センター長・高瀬敦先生
2019.08.06
8月9日(金)、10日(土)に開催される 『自費研フェス2019』にご登壇いただく、先端予防メディカルセンター センター長・高瀬敦先生。
先端予防メディカルセンターが提供する『ゲノム健診』は、医師による問診と、ヤフー株式会社の提供するゲノム多型解析サービス『HealthData Lab』を活用し、約300の健康リスクや体質を解析し、将来起こり得る疾患を予測し、適切な対応策を提案するサービスです。
これまでの診療と基礎研究の経験を活かしてゲノム解析を行う高瀬先生に、ゲノム解析やその将来性について伺ってまいりました。
ゲノム、そしてゲノム解析とは
ゲノムとは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報を示します。DNAは細胞の核の中にある染色体に存在し、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の部品からできています。DNA中ではAとT、GとCが結合していて、二重らせん構造を成して、核の中の染色体の中に折りたたまれて入っています。DNAは、簡単に言うと、私たちの体を作る設計図と言えるでしょう。
遺伝とは、例えば背丈や顔の形が親に似ている、ある病気にかかりやすい家系、などの親の生物学的な特徴が子供に伝わることで、それを伝えるDNAの特定の部分が遺伝子です。
ゲノム解析は、多くの生物学的遺伝情報を解明することにあります。現在、遺伝子情報(DNAの塩基配列)はスピーディーにコンピューター解読できるようになり、ほぼすべての塩基配列情報の解読が終了しています。ヒトゲノムの解明は特に重要で、病気の予防や診断・治療に結びつきます。しかし、未だに遺伝子の役割と病気の関係がすべて解明されたわけではなく、今後の展開が期待されている分野です。
ゲノム解析をすることで、その患者さんの体質や病気の特性が分かり、オーダーメイドな治療が行えるようになると考えられています。その人の生まれ持っての体質を知ることで、予防から、副作用を抑えつつ最も効果が期待できる治療を最短で選択することができる。私はそうした未来を目指しています。
『HealthData Lab』で活力ある健康長寿へ
先端予防メディカルセンターが行う独自のゲノム健診は、ヤフー株式会社が提供するゲノム解析サービス『HealthData Lab』で解析した個人の遺伝情報を、これまで研究されてきた体質や病気との関連遺伝情報(GWASカタログ)と組み合わせた結果で構築されます。しかし、人種、性差、環境因子などの影響を受けるため、安易な判断は禁物です。受診者自身の直近の健康診断結果、既往歴、現病歴、家族歴、生活歴を考慮した総合判断にて、今後のリスクヘッジをとる必要があります。
私は主に、生活習慣などに関わる多因子疾患へのアプローチを考えており、単一遺伝子に寄らない、多因子な感受性遺伝子に寄る疾患を検討します。このリスクヘッジにより、多くの患者の健康サポートをして、活力ある健康長寿へ導きたいと考えています。
重要なのは信頼性と安心感
この検査の特徴は、300項目にもわたる体質・疾患感受性遺伝子を解析できる点にあります。実際には、唾液から何十万というデータをとることができるのですが、今回は300項目に絞って紐づけました。ヤフー株式会社の、膨大なビッグデータを扱ってきた信頼感こそ、本サービスの最も大きな特徴と言えるでしょう。
リスク発見後、結果に基づいた対策を
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