次世代ダイエット薬「サクセンダ」。韓国では違法取引が問題に
2019.03.14
「サクセンダ」という薬が、新しい減量薬として世界中で話題になっているのを知っているだろうか。日本で唯一、食欲抑制剤として承認されている「サノレックス」、未承認ではあるが脂肪を吸収しづらくする「ゼニカル」など、ダイエット薬はたくさんある。その中でも、今海外で話題になっているのが、このサクセンダである。日本では痩せ薬としての馴染みはないが、欧州では承認薬として認定もされている。また、韓国では爆発的な人気が出て、非正規のルートで出回るほど入手困難な状況となっているという。このサクセンダ、一体どのような薬なのだろうか。
確かな食欲抑制作用も、処方には制限が
サクセンダとは、「リラグルチド3㎎」の欧米における販売名のことである。食事の摂取に伴い分泌されるホルモンであるヒトGLP-1のアミノ酸配列と97%の相同性をもつ、ヒトGLP-1アナログ製剤として販売されている。ヒトGLP-1と同様に、食欲を制御し、食事の摂取を抑制することで体重を減少させる効果がある。また、グルコース濃度に応じて、インスリン分泌を促進、あるいはグルカゴン分泌を抑制し、血糖値の降下作用も確認されている。
製造元『ノボノルディスク社』のチーフサイエンスオフィサー、マッズ・トムセンは「肥満症の人々は、肥満に関連する合併症も患っており、そのような人々にとって、臨床的に意味のある体重変化、その維持をもたらし、肥満に関する合併症を改善する可能性を有していると確信する」と述べるなど、その効果には臨床データに基づく確かな根拠があるとしている。
サクセンダの使用には制限がかけられており、BMI30以上の高度肥満患者や、高血圧・糖尿・高脂血症などの危険因子があるBMI27以上の肥満患者に限って処方が許可されている。
使用方法は、一日一回、3か月~1年ほど継続的に、直接皮下脂肪の多い腹部や太ももなどに自分で注射を打ち込まなければならない。糖尿病患者のインスリンと同様、自分で注射するという点や毎日打ち続けなければいけない点で、一般ユーザーには抵抗感があるだろうが、世界の市場では予想外の大流行となった。
食欲抑制作用を持ち、体重増加を防ぐ効果がある次世代の“痩せ薬”だが、現在日本では承認されていない。
吐き気や甲状せんがん誘発の可能性
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